2019年7月5日金曜日

FFXIV 漆黒の反逆者 感想 

 昨日FFXIVの最新の拡張ディスクである漆黒の反逆者を無理矢理なんとか終わらせた。今年出たゲームではSEKIROを超えるものはないと思っていた。しかし実はMMO RPGという括りではなく、RPGで、「ファイナルファンタジー」シリーズで、という条件が付けば、今回の漆黒の反逆者が今年は最高のゲームだった、という結論になるのかもしれない。
 いつも通り適当なあらすじを書いておくと、前作紅蓮のリベレーターでのメインストーリーが終了後に帝国と同盟軍との戦争が始まっていた最中、突如謎の声に導かれて元々いた原初世界から第一世界に転移させられた主人公が、第一世界から夜を奪っている「光の氾濫」の原因を生み出した「罪喰い」と呼ばれる存在との夜を取り戻す戦いに身を投じていく内に、やがて主人公が元々いた原初世界を含む全世界が今の形で存在している理由を知る・・・という話であった。
 素晴らしい「ファイナルファンタジー」だった。今回は「フェイス」と呼ばれるNPCとID攻略が可能であるシステムや、暁の面々がそれぞれ抱えている問題に向き合う経緯を細かく描いたこと、そして何より過去の「ファイナルファンタジー」と比較しても重厚な筋の通った背景と言葉を持ったエメトセルクというもう1人の「反逆者」との対立を描いたことが、主人公や仲間の行動に説得力を持たせることに繋がったのではないかと思われる。特にエメトセルクについてはもう今回の拡張が最後であったとしても全く問題が無いような位置づけがされた存在であった。普通のシリーズもののRPGであればその判断がされても全くおかしくないと思われる。BGM、IDの設定、展開全てにきちんと雰囲気だけではなく物語上の必要性を感じられる作りになっている。きちんと作られているが故に、最近「ファイナルファンタジー」シリーズを制作している企業が作るゲームで繰り返されているDLCによる補完の必要性を全く感じない。反対に、メインストーリーが終わった後にはちゃんと1つの物語が終わったということを感じることができる。
 また、昼を取り戻す戦いであったことや、主人公の宿敵とされる人物が旅に帯同してくる点など、一応シリーズの系譜としては本作の後に位置づけられるFFXVに影響を受けたのか・・・とも思ったりしたが、実際にはその作品よりははるかに「ファイナルファンタジー」シリーズとして質が高い、と言わざるを得ない。きちんと説明が存在するということ、そのために必要な重さを持った言葉が登場人物に与えられているということが本当に重要なのだと思う。FFVIIのリメイクが既に発表されているが、それまで何か今世界で出回っている「ファイナルファンタジー」シリーズでできるだけ新しいものをきちんと「ファイナルファンタジー」としてプレイしたい場合、この漆黒の反逆者は間違いなく薦められる一作である。

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