2011年4月4日月曜日

フルブライト奨学金攻略法 (2)

 (1)の続き

 次に第4位の「奨学金制度趣旨と研究計画の合致」であるが、先述した3つの項目に比べて低い順位であるのは、確かに重要ではあるが、割合出願プロセス上どうとでも説明できるからである。
 例えばフルブライト奨学金は「日米の相互理解に貢献するリーダー養成」を目的として設立されていて、2012年度のフルブライト奨学金募集要項にあるProject Areaを見ると、米国の研究、環太平洋地域の政治・経済関係、現代社会の諸問題、グローバル社会の課題、教育(New)のどれかに含まれる研究計画でなければならず、第1次の書類審査においては何で自分の研究計画がそれらの分野に含まれるのか説明するようになっている。
 多くの人がお分かりになるだろうが、何とでも言える。「俺はロシア文学を研究するためにフルブライト奨学金を使ってアメリカへ留学したい」とか、わけの分からないことを書かない限り、この「奨学金制度趣旨と研究計画の合致」についてそこまで気を払う必要は無いだろう。アメリカで行われている学術研究は多くの分野で(金をかけている分)日本で行われているものの先を行っているし、日米が関わっている現代社会の諸問題、グローバル社会の課題などは、現実世界に存在するかなりの問題が該当するため、多くの場合はそれほど苦労しない。1次審査で求められているエッセイには英語に問題が無ければそれほど苦戦はしないだろう。もちろんだからと言って適当に書いてよいわけではない。この1次審査で書いた内容を基に2次審査の書類や、3次審査で喋る内容を作るということを忘れないように。
 もっとも、より個人的に気を払っていただきたいのは、上述した意味での単なる合致ではなく、1.自分の研究が該当分野や社会に与える影響、2.アメリカ留学が自分のキャリアにもたらす影響、3.アメリカ留学の(絶対的とも言えるまでの)必要性の3点である(+αとして「フルブライト奨学生」として留学する意義だろうか)。これらは2次審査でも求められるエッセイの質に関連するので後で述べることにする。
 第5位の推薦状であるが、これは2次審査と後の大学院出願の際に必要になるものである。なぜ俺がランク外の「コネみたいなもの」と推薦状を分けたかと言うと、例えば、単純に見ず知らずの大統領に書いてもらった推薦状と、出願者の仕事内容や人柄を良く知っている職場の上司が書いた推薦状では、俺は後者の方が役に立つと思うからだ。推薦状は出願書類上に現れる人物を補足する第三者の評価であり、よく知らない人物の「コネ」はその出願者評価を補足する機能を持たない。せいぜい「へぇ~。で?」ぐらいで、実際にその人が学生あるいは社会人としてどんな実績や活動を残し、どんな人柄だったのかを示さないからである。
 しかし、こうした第3者の評価となる推薦状は、あれば評価の役には立つが、やはり他の出願者自身が示した能力以上に合否を分けるファクターにはならないだろう。推薦状の内容が素晴らしくてもエッセイや面接がろくでもない場合は、逆に出願者を落とすファクターにもなりかねない。2次審査では3通の推薦状が求められるが、ちゃんとした推薦者にちゃんとした推薦状を書いてもらうことは当たり前の作業だと思った方がいい。
 さて、最後に俺がランク外に挙げた「東京大学卒じゃないと無理」といった役に立たない情報を批判して無価値にする作業をしておこう。面白いのでこの際具体的に1つ情報源を特定して潰してやろうと思う。例えばググると結構上位でひっかかるのが「東大や京大卒じゃないと無理」というYahoo!!知恵袋の情報だが、完全にクソ情報である。確かに過去のグランティーリストを見ると東大の肩書きを持った人が多いが、それはそういった人々がこのブログで挙げたような選抜されるための項目について、他の出願者と比較して多く、あるいは完全に上回っていただけであり、「学校名で跳ねられる」ということはありえない。いわゆるFラン大学出身でも東大出身の人より英語も成績も実績も全てにおいて上回っていれば、フルブライト奨学金はそいつを奨学生に選ぶ。というか、そこら辺のおばちゃんに選ばせても(本来的には)そいつを選ぶだろう。だって比較すれば誰でもそいつの方が優秀だと分かるから。フルブライト奨学金の選考プロセスは(海外経験についてのみ制度上少ない人の方が有利になるものの)こうした純粋な力比べの側面が強いので、少なくとも日本の官庁や企業が作り出した意味不明の(時代遅れな)幻想にこだわる必要は無いし、そのような「漠然としたイメージ」程度で留学を諦められるなら、どうせ落ちるので出願しない方が良い。当たり前のことだがそんなかっこ悪い奴を誰も「将来のリーダー」だと考えないと思う。
 さて、ここまではフルブライト奨学金選考プロセスにおいて、どのような要件を出願者が満たしていれば受給者に選抜されるのか、ということを概観してきた。次は、これら5つの主要な要件をどのように出願者は備えればよいのか、ということを各論的に記してみる。

 きりが良いので(3)へ続く

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