モンハンをアドパでやっていると遅かれ早かれデータを違法(著作権上違法になった判例があるようだ http://www.itmedia.co.jp/news/bursts/0102/13/tokimemo.html )に改造しているプレイヤーと出会う。インターネットは個人が極めて抽象的に存在する空間なので、例えば他人との物理的な接触が必然として存在する現実世界で、赤色点滅信号を無視して違法に原付を運転するより、「自分がダメージを受ける可能性が低い」と錯覚するからだろう。モンハンについても、カプコンが真面目にこの問題に取り組み、違反者を徹底的に糾弾すれば、ここで話している抽象的な「違法性」は個人への処罰というダメージを伴う具体的なものへと変化するかもしれない。
それが出来ないのは、企業にはそもそも不特定多数に存在する違法改造者へ個別に対応する金銭的・時間的余裕が無いからだ。加えて、法整備を行う官僚や政治家にとっては、データ改造者が存在することで生じる社会的な害悪よりも、何人かのろくでもない米軍兵士が沖縄でひき逃げをしたり、少女をレイプしたりすることで生じる社会的害悪へ対処することの方が優先順位が高い。結果として、現在のように「これって大丈夫なの?」といった一般市民の疑問だけが残る取り扱いが、チート行為の問題に対してはなされている。
チート行為はゲームをまともにやっている人間が出会ってしまった場合は害悪であるし、チーターと普通のゲーマーは排斥し合う関係ではある。しかし、モンハンの場合はチート行為は自己完結が可能だ。別にソロで狩りへ出かけ、悪魔猫にミラボレアスやウカムルバスを狩らせて満足感を得ている分には、文字通り誰にも迷惑をかけていない。更に言うと、よく言われる「チーターと一緒にプレイするとデータが破損する」という言説についても、チート行為と他者のデータ破損との間に100%の因果関係が認められるわけではない。試しに部屋のコメントに改造禁止の文言が無い部屋に入り、しばらくプレイしてみるといい。遅かれ早かれ悪魔猫を所持したプレイヤーと出会い、共にプレイすることになるだろう。しかし、データは多くの場合破壊されたりしない。つまり、データ保護のためにチーターを禁ずるという態度に決定的な合理性があるわけではない。
結局の所、チーターの存在が害悪たり得るのは、改造行為が個人の価値規範に抵触していることが大きい。現状上述した根拠の薄い言説が成り立つのは、確固たる因果関係に立脚しているからではなく、個々の価値規範、すなわち「ズルして自分を強く見せようとする態度への嫌悪感」、「ゲームをすること自体の意義を否定する行為の否定」、「自分は苦労して~のモンスターを狩ったのに楽をして狩っている者が許せない」、といった意識を正当化するため、「データのバグが発生する」という理由付けでチート行為が否定されているのだと考える。ゲーム脳しかりであるが、複数の人間の価値規範に抵触している行為は害悪との因果関係を説明しやすいのだ。
俺も「モンハン 真面目部屋」においては改造・チート行為を発見した場合、コメントに記載してある通り直ちにキックしている。これは、上述したようなデータ保護という曖昧な合理性を理由にしているのではなく、事実として、ネットという空間は自身と異なる価値規範を持っている存在と了解しあうことが困難であるからである。俺が彼または彼女と知り合いで、学校や職場で日常的に接している(あわよくば彼や彼女を糾弾するだけの権力と実行能力を有している)状況であるなら、自分の価値規範の表明を、(あわよくば強制力を伴って)行うかもしれない。しかし、ネットではそれができない。VCのくだりで述べたように、共にプレイしているのは多くの場合は初対面の、全く異なる地域に住み、物理的接触が限りなく不可能な「誰か」である。通りを歩いていていきなり60代のおっさんに髪や服装の乱れを注意されても、よっぽどの影響力を持った存在でない限り「何だコイツ?」といった感覚を抱き、後に友人との会話でネタにするぐらいの影響しか無いということと同じである。諦観は諦観であるが、こればかりは世の中に存在する自分の力ではどうにもならないことの1つだと言わざるを得ない。
というわけで、今後も「モンハン 真面目部屋」においては改造・チート行為が発見された場合は該当者を蹴ることになる。チーターがこのブログを見る可能性もかなり低いと思われるが、一応ここで述べておこう。ちなみ、俺はコメントに「改造・悪魔猫所持者は蹴ります」と常に記載し、改造・チート行為が発見された場合は「改造・悪魔猫所持者は蹴ります。さようなら。」と言ってキックする。コメントを理解できなくて、誤って部屋に入ってしまったチーターが蹴られてショックを受けないように、事前にここで俺がどうやってチーターをキックするか述べておく。
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