そう言えば大阪に行った帰りの新幹線で彼女に「ナトリウムって塩分だと思うよ。他に表記されてる栄養素が所謂『主要』なものであることからしても整合性があり、明らかだ。」「じゃあ今度知り合いに聞いとく」という会話があったにも関わらず、2か月近くこの話題が放置されていて、俺によって度々想起されてしまうので、自分で解決することにした。
世の中に存在する様々な食品のパッケージに栄養素表記がされていると思うのだが、「ナトリウム」という表記がひっかかると思う。他の栄養素の表記だと、例えば「エネルギー」、「たんぱく質」、「脂質」など、昔家庭科の時間でもしかしたら習ったかもしれない名称である。その一方で、「ナトリウム」は化学を選択していた人がNa(ナナマガリシップスクラークカの「ナ」の部分である)という元素記号で習ったもので、明らかな違いがある。
ナトリウムが意味するところは、結局は俺の言い分が正しくて「塩分」である。ググったらすぐに分かることを俺がわざわざ調べたところ、ナトリウム(mg)×2.54÷1000=食塩(g)となります・・・らしい。大手飲料メーカーのお客様質問コーナーに書いてあるのだから、信憑性も高いと思う。
しかし、なぜわざわざこのような表記がされるようになったのだろうか。またググれば分かることをわざわざこの俺(様)が調べたところによると、一応栄養素表記には2003年に制定された「健康増進法」なる根拠法が存在するらしい。より具体的に言えば、本法第31条(と31条の2)に規定されている通り、厚生労働省令で定められた「国民が健康の保持増進を図る上で接種することが望ましい栄養素の量」に関する事項については表記を遵守することが義務付けられる、ということらしい。しかもこれは単なる努力義務というわけでもなく、表記義務に反した場合は、消費者庁長官による勧告の後、従わななければ50万円以下の罰金を支払うハメになる。そして、「ナトリウム」の表記は、この「健康増進法」に基づき、2003年に出された厚生労働省による告示の中で、脂質やエネルギーと共に表記が求められているため、現在ではあらゆる日本の食品の栄養素表記に記載されている、ということらしい。
さらに調べると、「健康増進法」にはその前身として厚生労働省が1996年に出した栄養表示基準なる告示が存在していて、どうやら「塩分」ではなく「ナトリウム」の表記に統一されたのは、その時かららしい。一般財団法人日本食品分析センターの資料によれば、「医学・生理学的にみて、健康に関わりの深いのは食塩の中のナトリウムであること、食品中には食塩の他にもナトリウム含有成分が含まれていること」を理由として、「ナトリウム」という名称が栄養素として表記されるようになった、とのことである。
これは面白い事実である。塩とナトリウムは区別可能だということだ。つまり武蔵は胤栄に森でボコボコにされた後「塩を分けてくれんか」と言っていたが、医学・生理学的には「ナトリウムを分けてくれんか」と言わなければならなかったのだ。
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