2011年11月5日土曜日

めんどくせぇな。

 実は現段階で俺はニューヨーク州の司法試験を受けることを計画に入れている。なので明日のMPREも受ける。俺ルールその2として、NYUに居る間は俺のめんどくさい病とは無関係に俺の利益を最大化する行動を取り、利益を害する行動を取らないと決めているので、このNY州司法試験を受けるということもこの「利益の最大化」の中に現段階では含まれる。
 とはいいつつ、NY州司法試験についてははっきり言って俺の見出す価値ではなく、他人の話の中での価値として戦略に組み込んでいるのが現状である。俺の考えだとそもそも国際法の「こ」の字も試験内容に含まれていない試験であり、かつアメリカでの弁護士業務が全く俺の人生にとって価値を持たないことが確定しているため、この試験の俺にとっての価値はマイナスであるべきだと思っている。これをやる暇があったら①優秀な成績を収めて学位を取る、②論文を書く、③インターン等を通じて実務経験を積むという努力を積み重ねた方が「俺の理論」上では有益である(し、本来そうする予定だった)。
 ただ、俺以外の人間で、かつ俺が将来入りそうな業界に詳しい数名は100%口をそろえてNY州弁護士資格はあった方が良いと言う。この考えについて、今でも俺は個人の考えとして部分的には疑っている(素人だから「法律家」と符号される者は全ての法律業務を扱えると勘違いしてるんじゃねえの?国際法も移行期の正義も完全に関心持たなくてもNY州司法試験は取れるし、それらのほとんど無関係の分野はNY州で弁護士やるのに邪魔にすらなるけどな?という思いがある)。ただはっきり言って俺の目指す業界に求められる資質については不確定な情報が多すぎるので、現段階では少なくとも100%の確率で他人が主張している「利益」を戦略に組み込む必要がある。
 しかし、このNY州司法試験は本当にめんどくさい。日本の司法試験関連の制度がグダグダなのとアメリカ人のクソみたいなサービスの質が負の相乗効果を生み出している。5月ぐらいに申し込んだ事前審査なる糞手続きは、ほぼ半年もの時間もかけて「あなたが自国で法実務家として勤務できる証明が必要です。①法実務家として勤務しているのならその資格の証明、②法実務家になるにあたり学業的な要件を充たしているのであればその証明、を送ってください」という回答をしてきた。俺は旧司法試験は受けてすらないので①は物理的に無理だが、②をどうするかが問題になる。・・・が、実は俺の中ではどう考えても論理的に無理という回答が既に出ている。なぜなら、2011年度からは日本は旧司法試験を失い、新司法試験が「司法試験」として統一されるからだ。この「司法試験」は基本的には法科大学院を卒業していることが受験の要件なので、旧司法試験に合格していない「法学部卒」の人々は論理的には今年からNY州司法試験は受けられなくなる。なぜか予備司法試験という法科大学院を卒業していなくても予備司法試験に合格すれば「司法試験」を受けられるという中途半端かつある意味日本人っぽい制度ができるが、これは「司法試験」ではないので、この誰でも受験可能な「予備試験」を受けられることは「司法試験」を受けられること証明にはならない。したがって、日本の制度を文字通りに解釈すると、①旧司法試験に合格している、②法科大学院を卒業している、③予備試験に「合格」している人々しかNY州の司法試験は受けることができないことになる。なのでこの解釈だと①~③に該当しない企業法務で働いていた人や俺のようにわけのわからない法分野を研究している奴はNY州の司法試験は今年から受けられないのである。日本の司法試験関連の改革は本当に馬鹿で無駄な時間と金(と人の思い)を使っただけで、結局このまま不況が続いたらあと10年後ぐらいに無駄な法科大学院は全部つぶれて旧司法試験みたいなものが復活しちゃうんじゃないの?と個人的には思うが、国が決めた制度なので現状ではどうしようもない。
 「でしょ?受けられないからさぁ、つまんないしめんどくさいMPREは止めてもっと楽しいお勉強をしようよ?」と俺の本音は言っている・・・。しかし、俺は俺の作ったルールを守るべきなので、論理的にも馬鹿で感情的にも擁護不能ではあるが、「去年までは「法学部卒」でも受けられましたし、予備試験は受けられますよ?まあなんだかんだで「法学部」卒業時には受けられましたし・・・」という文書を作ってBOLEというNY州司法試験受験資格を認定する(どっかの村役場の10分の1ぐらいのスピードでしか事務処理のできない)団体に送るほか無い。上述した通り、俺の中ではこれは全く馬鹿な行為なので本当に感情的にはやりたくないのだが、可能性が残ってしまっている以上(現段階でBOLEは完全に無理とは言ってくれなかった・・・)俺ルール2の「利益最大化」の原理が働くので、出身大学等にめんどくせぇなと思いながら聞いてみるしかない。俺が担当者だったら「はあ?無理に決まってんだろ?法務省のHPでも見ろよお前。明らかだろ?めんどくせぇな」と俺に言うのだが・・・。まあ1つだけこの馬鹿な行為の利点を示すと、ここで無理だったという結果を示してブログで表示できれば、弁護士以外の「法学部卒」の「従来通りLL.M.の学位とNY州司法試験合格が欲しい」という人々が無駄な金と時間を使ってアメリカに来ることを防ぐことができ、「可能だった」(もうそうなると日本の司法試験受験資格って何なのか意味不明だが)ということを示せれば、弁護士以外の「法学部卒」で上述した従来通りの希望を持っている人々は安心してアメリカのロースクールに来れる点だろう。

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