(7)の続き
(5)推薦状
最後の項目は推薦状であるが、第5位にした通り、これはおそらく決め手にはならない。あくまで出願書類上で出願者が書いている内容を補足するために審査員が使うためのものが推薦状である。そもそも内容が無い場合は補足できない。
しかし、推薦状は出願プロセス全般(内定後の大学院出願も含む)に渡って必要になる上、本来的には自分ではなく他人が準備するものなので、用意するのに時間がかかる点で注意すべき項目だと言える。おそらく多くの出願者がフルブライト用の3通と後の出願用の推薦状を書いてもらう推薦者を変えないと思うので、もし推薦者と日常的に連絡が取れない場合、この段階で出願先大学の推薦状も頼むことになる場合もある。個人的には予備審査に合格した後すぐに推薦者に依頼できるよう、あらかじめ頼んでおく必要は無いが、誰に推薦してもらうかは決めておいた方が良いと思う。そして、出願締切の最低1ヶ月前には推薦者に頼んでおいたほうが良い。推薦状が足りなかっただけでも願書が受理されない場合があるからだ。もちろん推薦状は英文である。和文で書かれると第三者による翻訳を付けることになって余計めんどくさくなるので注意である。
また、それ以前の問題として、出願者が自ら推薦状の「下書き」を作らなければならない状況もおそらく多く存在すると思う。この場合はAMAZONなどで「大学院留学 推薦状」のAND検索をして、引っかかった本を参考にしながら自分で作るしかない。理想としては大学時代や職場で自分を良く知る目上の人(偉いより「良く知っている」ということの方が重要)に作成してもらうのが一番だが、英語が達者で出願者を知っていてかつ推薦状を書いてくれるやる気のある目上の人というのは、なかなか存在しない場合も多いと思う。とんだ茶番だが、例えば2人以上「下書きを書いてくれ」、「自分で書いてくれ」と頼んできた場合はそれぞれ推薦者に応じて内容を変えながら出願者が自分で作るしかない。この場合も、確かにやっつけ仕事みたいなものだが、やっつけでやらないこと。願書と同じく細心の注意を払って作成することを忘れないように。
この自分で作成する推薦状の下書きについては、俺が説明するより上記の検索で出てきた本を読んだ方が早いが、一応大切なことを書いておくと、あまり素晴らしい内容ばかり書かない方が良い。素晴らしい内容ばかりだとどうしても嘘くさくなるので、自分で書く場合は意識して学生時代、あるいは職場において推薦者が分かるような短所を入れ込むことを忘れないように。また、例えば「課題に真剣に取り組む故に他人に対して厳しい態度だった」という定番のでっち上げ短所があるのだが、このように短所と言っても遅刻、不従順、虚言癖、犯罪履歴などの単純な短所ではなく、理由ある短所を書いた方が良い。これもろくでもない茶番だが、出願手続きは個々人の現実を汲み取ってくれないので仕方が無いと割り切るしかない。パーソナルステートメントやエッセイのように十分な時間を費やして作成すること。
さて、ここまではフルブライト奨学金選考プロセスで戦うための力を手入れるための方法(戦略)を書いてきた。次は、より戦術レベルに近く、内定するためには、時系列順にどのように出願者が備え、対応しなくてはならないか、ということを例示してみよう。これから示す例のように徹底的に備えてくるとはっきり言って気持ち悪いが、まだ高校生や大学生で、かつ俺のように貧乏で自費で留学できる可能性が0%だという人にとっては特に有益だと思う。また、スネ夫やトンガリの如く「ママやパパがいくらでも留学費用や生活費を負担してくれるけど、お金がもったいないし、フルブライターのステータスは今後出世するために獲得しておきたいの」と考えている人にとっても具体的な戦い方のイメージが湧くので有益だろう。
少し眠いので(9)に続く
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