昨日は結構お気楽な記事を書いたが、実はPSNの事件は深刻さを増しているらしい。ただ機能停止になっているわけではなく、クレジットカードの情報を含む個人情報が盗まれた可能性があるとか。7700万人もPSNに登録していた人が居たというのも驚きだが、個人情報の漏洩は結構笑えない状況である。
俺個人に関して言えば、3月に今まで使っていたクレジットカードの期限が切れて新しくなったまま、特にアドパ以外でPSNに用事が無かったため、PSNで設定変更し忘れており、(裏のセキュリティコードが確実に異なるので)多分クレジットカードについては問題が無い。また、個人情報もどの道今年中に携帯もプロバイダーも解約することになるので、付随して登録しているメールアドレスなどの情報も無くなるし、住所自体が半年以内にこの国じゃなくなる。というわけで俺は自然にこの事態に対応しているらしい・・・。
昨日は「ご苦労様です」とか言っていたが、多くの人は「SONY何やってんだ!!」と思い始めているだろう。
2011年4月26日火曜日
PSNさん・・・
もう結構大々的に取り上げられているが、PSN(Play Station Network)が機能停止状態になっている。先週は法事やら健康診断の件やらNYUの履修表で俺の取りたい授業が曜日被りまくっていたり、いろいろあったので、日曜日にちょっとアドパにでも行っていろいろ(精神的に)回復しないと・・・!と思って繋いで見たら接続不能になっているのに気付いた。未だに機能停止状態が続いているらしい。
この件で俺が驚いたのはかなりの人間がTwitterなどでこの件に対する不満や不便だという意見を出した点である。Play Station 3ってそんなにメジャーなハードだったのか・・・。数年前まで(ひょっとしたら今でも)SONYさんのゲーム関連の商売は振るわなくなっているという論調が主流だったので、俺はPS3はWiiに比べれば完全に「失敗」で、家に置いてあったりすると「え・・・マジ!?お前PS3なんか持ってんの!?うわ・・・」みたいな反応になるのかと思っていた。なので今回の件も「PSNって何?知らない」で済まされるのかと思っていたが、俺の予想以上の反応がある。
この点、今回の事件はメディア的にも面白いと言えば面白いからこんなに反応があるのかもしれない。「外部要因による影響」が今回の件の表向きの原因だが実は「アノニマス」という文字通り「匿名」のハッカー集団の手によるものではないのか、という意見がある。この「謎のハッカー集団」という存在が聴衆にとっては(俺などはコラテラルな被害としてアドパに行けないので単なる聴衆と言うより被害者だが)結構魅力的な響きである。勿論「ハッカー」という語は本来的にはコンピュータの知識に長けた者を指すプラスの言葉だが、現在ではコンピュータをいじって騒ぎを起こす「悪」として広く浸透している。やはり「悪」には「謎」の一面が欲しいのだ。それに加えてSONYという一流企業に対する「匿名」の人々の反乱は、権力に対する反骨精神や革命を想起させる。保証期限の理不尽な短さや、故障し易さなどでSONYに不満を持っている人々は大勢居るので、全く無関係の一般の人々に加えて、そうした人々にとっても憂さ晴らし的な需要があるニュースなのかもしれない。
とりあえずPSNは(課金しなければ)タダのサービスなのに、休日返上で作業している(とSONYには言われている)人々は本当にご苦労様です。
この件で俺が驚いたのはかなりの人間がTwitterなどでこの件に対する不満や不便だという意見を出した点である。Play Station 3ってそんなにメジャーなハードだったのか・・・。数年前まで(ひょっとしたら今でも)SONYさんのゲーム関連の商売は振るわなくなっているという論調が主流だったので、俺はPS3はWiiに比べれば完全に「失敗」で、家に置いてあったりすると「え・・・マジ!?お前PS3なんか持ってんの!?うわ・・・」みたいな反応になるのかと思っていた。なので今回の件も「PSNって何?知らない」で済まされるのかと思っていたが、俺の予想以上の反応がある。
この点、今回の事件はメディア的にも面白いと言えば面白いからこんなに反応があるのかもしれない。「外部要因による影響」が今回の件の表向きの原因だが実は「アノニマス」という文字通り「匿名」のハッカー集団の手によるものではないのか、という意見がある。この「謎のハッカー集団」という存在が聴衆にとっては(俺などはコラテラルな被害としてアドパに行けないので単なる聴衆と言うより被害者だが)結構魅力的な響きである。勿論「ハッカー」という語は本来的にはコンピュータの知識に長けた者を指すプラスの言葉だが、現在ではコンピュータをいじって騒ぎを起こす「悪」として広く浸透している。やはり「悪」には「謎」の一面が欲しいのだ。それに加えてSONYという一流企業に対する「匿名」の人々の反乱は、権力に対する反骨精神や革命を想起させる。保証期限の理不尽な短さや、故障し易さなどでSONYに不満を持っている人々は大勢居るので、全く無関係の一般の人々に加えて、そうした人々にとっても憂さ晴らし的な需要があるニュースなのかもしれない。
とりあえずPSNは(課金しなければ)タダのサービスなのに、休日返上で作業している(とSONYには言われている)人々は本当にご苦労様です。
2011年4月19日火曜日
I didn't make it (泣)→ 「宇宙の話をしよう」
英文健康診断書を作成したと思っていたら、依頼した医療機関が抗体値と確認した日付を記入しておらず、頼んだのにレントゲンを撮っておらず、さらに破傷風とジフテリアは全く理解不能だがそもそも抗体検査すらしていないという事実が判明したのでやり直しになった・・・。
特に破傷風とジフテリアは抗体検査していないということを英文健康診断書に書く前に説明しろよと激しく思ったし、何よりポリオの予防接種をしたため1ヶ月経過しないと両方予防接種もできない・・・。というかそもそも抗体検査していない項目についても抗体があるという適当な事実を記入されていたこと自体、本当にろくでもない医療機関だなと思わざるを得ない。金もらってやってるのに何やっつけで作ってんの?と思った。結局今現在埋められるところだけは埋めて提出し、5月中旬にジフテリアと破傷風の予防接種の証明書を提出することにした・・・。
なるほど、俺は自分の親(だった人)も含めた連中がこの英文健康診断書作成でどれだけ愚かな振る舞いをするかを予め予測して行動すべきだったのだ。俺の親が存在しなくなる前に高校生の俺は「将来フルブライト奨学生になる予定があるんで」と言って(1人は死にかけていた)彼らから母子手帳を確保するべきだったし、医療機関にはただ「ここに書いてある9つの感染症について抗体検査をして下さい」、「ならポリオだけ予防接種が必要なんですね?」と言うだけではなく、「はしか、風疹、おたふく風邪、ジフテリア、ポリオ、百日風邪、破傷風、破傷風追加免疫はちゃんと抗体検査してもらえたんですよね?『もう書けるよ』『ポリオ以外は大丈夫だよ』とかおっしゃっていますけど、ちゃんと書類に存在する全ての項目の診断、全ての病原菌について抗体検査してもらっているんですよね?だからもう書けるとおっしゃっているんですよね?説明して下さいよ」とうざいぐらい聞くべきだったのだ。
なぜかこの件について俺にしては珍しく本当に頭にきたのだが、俺はこのろくでもない医療機関を怒ったり恨んだり呪ったりしないことにしようと思う。「宇宙の話をしよう」(by南波六太)というわけだ。俺はフルブライターだ。医者じゃない。俺の母子手帳の所有者でもなかった。日米教育委員会の職員でも無い。それよりも俺はアメリカでの1年の準備をするべきだ。少なくとも、俺にはもう俺がアメリカで勉強する姿が見えている。
特に破傷風とジフテリアは抗体検査していないということを英文健康診断書に書く前に説明しろよと激しく思ったし、何よりポリオの予防接種をしたため1ヶ月経過しないと両方予防接種もできない・・・。というかそもそも抗体検査していない項目についても抗体があるという適当な事実を記入されていたこと自体、本当にろくでもない医療機関だなと思わざるを得ない。金もらってやってるのに何やっつけで作ってんの?と思った。結局今現在埋められるところだけは埋めて提出し、5月中旬にジフテリアと破傷風の予防接種の証明書を提出することにした・・・。
なるほど、俺は自分の親(だった人)も含めた連中がこの英文健康診断書作成でどれだけ愚かな振る舞いをするかを予め予測して行動すべきだったのだ。俺の親が存在しなくなる前に高校生の俺は「将来フルブライト奨学生になる予定があるんで」と言って(1人は死にかけていた)彼らから母子手帳を確保するべきだったし、医療機関にはただ「ここに書いてある9つの感染症について抗体検査をして下さい」、「ならポリオだけ予防接種が必要なんですね?」と言うだけではなく、「はしか、風疹、おたふく風邪、ジフテリア、ポリオ、百日風邪、破傷風、破傷風追加免疫はちゃんと抗体検査してもらえたんですよね?『もう書けるよ』『ポリオ以外は大丈夫だよ』とかおっしゃっていますけど、ちゃんと書類に存在する全ての項目の診断、全ての病原菌について抗体検査してもらっているんですよね?だからもう書けるとおっしゃっているんですよね?説明して下さいよ」とうざいぐらい聞くべきだったのだ。
なぜかこの件について俺にしては珍しく本当に頭にきたのだが、俺はこのろくでもない医療機関を怒ったり恨んだり呪ったりしないことにしようと思う。「宇宙の話をしよう」(by南波六太)というわけだ。俺はフルブライターだ。医者じゃない。俺の母子手帳の所有者でもなかった。日米教育委員会の職員でも無い。それよりも俺はアメリカでの1年の準備をするべきだ。少なくとも、俺にはもう俺がアメリカで勉強する姿が見えている。
2011年4月15日金曜日
I made it!
英文健康診断書の作成を完了した。母子手帳が紛失していたことで今は亡き母に少しイラっとしたが、抗体検査の結果、俺はポリオ以外の抗体を全て備えていることが判明したので、実はまめに予防接種を受けさせてくれていた母には感謝すべきなのかもしれない。
ポリオの予防接種については本当に一瞬で終わったのでびっくりした。何かスポイトみたいな器具に入っている怪しい液体を口の中にぴゅっと打つだけである。気持ち悪い液体だったが別に耐えられないほど苦いわけでもなかった。既にツベルクリン反応と抗体検査の際の採血で2度注射を刺されていたので、絶対注射されるわこれ・・・と思っていただけに良かった。大人がポリオの予防接種を受けるのは珍しいらしい。3900円でできた。
というわけで俺の予想よりかなり早く、そして安く(3万も使っていない)フルブライト奨学生の身分を確定するための書類を揃えることができた。母子手帳も無いし病院には断られるし、最初は一体どうなるのかと思っていたが、案外やればなんとかなるものである。
ポリオの予防接種については本当に一瞬で終わったのでびっくりした。何かスポイトみたいな器具に入っている怪しい液体を口の中にぴゅっと打つだけである。気持ち悪い液体だったが別に耐えられないほど苦いわけでもなかった。既にツベルクリン反応と抗体検査の際の採血で2度注射を刺されていたので、絶対注射されるわこれ・・・と思っていただけに良かった。大人がポリオの予防接種を受けるのは珍しいらしい。3900円でできた。
というわけで俺の予想よりかなり早く、そして安く(3万も使っていない)フルブライト奨学生の身分を確定するための書類を揃えることができた。母子手帳も無いし病院には断られるし、最初は一体どうなるのかと思っていたが、案外やればなんとかなるものである。
2011年4月14日木曜日
フルブライト奨学金攻略法 (終)
(9)の続き
5.おわりに
ここまで、フルブライト奨学金攻略法を記してきた。フルブライト奨学金を取得するためには、1.英語能力、2.経歴・履歴、3.これまでの学業成績・業績、4.奨学金制度趣旨と研究計画の合致、5.推薦状、の全てについて、出願者が最大限の努力を注ぐことが求められる。
しかし、フルブライト奨学金に内定したからと言って、その事実が水戸黄門の印籠かあるいはドラえもんのオールマイティパスのような効果を持つ、というわけではない。世間的には大学院受験の文脈で、「フルブライト奨学生」の肩書きを過大評価する傾向があるが、それは間違いである。トップスクールには「フルブライト奨学生」のような肩書きを持った人間がごろごろ集まってくるわけだから、「フルブライト奨学生」であっても戦いに負ければ落ちるところは落ちる。
それでは期待しているほどの絶対的な効果を持たない「フルブライト奨学生」という事実を得るために何でこんなに一生懸命努力すべきなのか、と思う人もいるかもしれないが、俺の個人的な見解を言わせてもらえば、一生懸命努力しないと得られない内定の難しさこそフルブライトの狙いである。フルブライト奨学生になるための努力は、この団体が掲げる「将来のリーダー育成」という目標達成に自然に貢献する。内定を得るために確かな努力をした人間というのは、英語で海外の人々とコミュニケーションができ、確かな経歴でこれまでの努力の成果を示し、学業成績の高さと業績の多さで優秀であることをアピールでき、自身の関心が広く国際社会が抱える問題解決にあることを主張し、その関心分野における第三者の評価を得られた者である。奨学生がこれだけの資質を備えた人間でなければ、フルブライト奨学金としては(本来は)困るのだ。そして、一般人が求めているリーダーというのは、このような資質を備えた人間でなければ(本来は)困るのだ。各分野ごとに多くても年に3人ずつ程度しか採用しない理由はここにあるし、採用した人間1人につき(名目上は1年間限度無しだが)約1000万円程度の援助をする理由もここにある。したがって、フルブライト奨学金に出願する人間が最大限の努力をするのは、奨学金の根本的な理念上当然のことだと言える。
俺がフルブライト奨学金受験について、単なる個人的な感想ではなく攻略法をこうして示したのは、単純に「この奨学金が求めるような資質を備えた人間がもっと世に出て世界をもっと面白くすればいいな」と思ったからである。少なくとも俺はこの世界はまだまだ面白いものになって楽しめるんじゃないのかなと思っている。フルブライト奨学金獲得を目指した全ての人間が、もっと世界を面白いものにできる者であることを願っている。
(了)
5.おわりに
ここまで、フルブライト奨学金攻略法を記してきた。フルブライト奨学金を取得するためには、1.英語能力、2.経歴・履歴、3.これまでの学業成績・業績、4.奨学金制度趣旨と研究計画の合致、5.推薦状、の全てについて、出願者が最大限の努力を注ぐことが求められる。
しかし、フルブライト奨学金に内定したからと言って、その事実が水戸黄門の印籠かあるいはドラえもんのオールマイティパスのような効果を持つ、というわけではない。世間的には大学院受験の文脈で、「フルブライト奨学生」の肩書きを過大評価する傾向があるが、それは間違いである。トップスクールには「フルブライト奨学生」のような肩書きを持った人間がごろごろ集まってくるわけだから、「フルブライト奨学生」であっても戦いに負ければ落ちるところは落ちる。
それでは期待しているほどの絶対的な効果を持たない「フルブライト奨学生」という事実を得るために何でこんなに一生懸命努力すべきなのか、と思う人もいるかもしれないが、俺の個人的な見解を言わせてもらえば、一生懸命努力しないと得られない内定の難しさこそフルブライトの狙いである。フルブライト奨学生になるための努力は、この団体が掲げる「将来のリーダー育成」という目標達成に自然に貢献する。内定を得るために確かな努力をした人間というのは、英語で海外の人々とコミュニケーションができ、確かな経歴でこれまでの努力の成果を示し、学業成績の高さと業績の多さで優秀であることをアピールでき、自身の関心が広く国際社会が抱える問題解決にあることを主張し、その関心分野における第三者の評価を得られた者である。奨学生がこれだけの資質を備えた人間でなければ、フルブライト奨学金としては(本来は)困るのだ。そして、一般人が求めているリーダーというのは、このような資質を備えた人間でなければ(本来は)困るのだ。各分野ごとに多くても年に3人ずつ程度しか採用しない理由はここにあるし、採用した人間1人につき(名目上は1年間限度無しだが)約1000万円程度の援助をする理由もここにある。したがって、フルブライト奨学金に出願する人間が最大限の努力をするのは、奨学金の根本的な理念上当然のことだと言える。
俺がフルブライト奨学金受験について、単なる個人的な感想ではなく攻略法をこうして示したのは、単純に「この奨学金が求めるような資質を備えた人間がもっと世に出て世界をもっと面白くすればいいな」と思ったからである。少なくとも俺はこの世界はまだまだ面白いものになって楽しめるんじゃないのかなと思っている。フルブライト奨学金獲得を目指した全ての人間が、もっと世界を面白いものにできる者であることを願っている。
(了)
2011年4月13日水曜日
フルブライト奨学金攻略法 (9)
(8)の続き
4.フルブライト奨学金受験シミュレーション~満輝夫の場合~
満輝夫15歳
高校に入学する。
金が無くて自費で海外留学できないので、日本の大学卒業後にフルブライト奨学生として海外留学することを決意。
情報収集の結果、大学はどこでもいいが、将来大学院出願の際にGREやTOEFLの確固たるスコアが必要になると考え、テストセンターの席を確保しやすい都市部の大学に進学し、そこを拠点にして準備することに決める。
将来的に日本で大学教授になる夢を抱く。
柔道部に入部。部活と勉強を両立する。
アルバイトで貯めたお金で初めてTOEFL-IBTを受けてみるが40点台と撃沈。英語をもっと勉強することに決める。
それから3年の月日が流れた・・・
満輝夫18歳
志望していた大学に入学する。専攻は国際関係論
授業料免除と給付奨学金の恩恵を受ける。
周囲は就職就職、TOEICTOEICと念仏のように唱え出すが、輝夫はTOEFL対策に集中し、1年の後期で80点台をマーク。高校3年間の努力を確認する。
1年の前期からGPAが3.5以上になるように真面目に勉強する。
情報収集の結果、自分の場合は「学生」の身分で出願することになりそうだと考え、アルバイトを探す際にできる限り国際的な問題を取り扱うNGO/NPOや、国際会議の支援業務など自分の研究分野に関連した職業に従事して働く。
ゼミや授業で積極的に発言し、担当教官に認められるよう努力する。
それから3年の月日が流れた・・・
満輝夫21歳
都市部の大学に設置された大学院修士課程に進学することを決意する。
大学院に合格した後、卒業までの半年間で早くもGRE対策を始める。
4年時に受験したTOEFLで100点を突破。
国際関係論に関する卒論を執筆。
首席で大学を卒業。
GPA3.95
満輝夫22歳
大学院に入学。
授業料免除と奨学金の恩恵を受ける。
1年からGRE受験を開始。
1本学会誌に投稿論文を出す。
TOEFLが105点を越える。
修士論文の全体像を描く
「履歴書に書けるバイト」を継続
1年終了時に卒業要件単位を全て取得し、GPAは4.0
満輝夫23歳
〈1月~4月〉
TOEFLが110点に届いたので受験を終了。
GREは合計で1400点を越えるようになる。
5月に提出するフルブライト奨学金予備審査願書の構想を練る。主に自分が将来どうなりたいのか、明確なキャリアプランを立てておく。
推薦状を書いてもらう人を誰にするか決める。
修士論文の章立てを決める。
〈5月〉
フルブライト奨学金予備審査用の願書を書く。金が無いので業者には頼めないが、指導教官及び知り合いの留学生に頼んでチェックしてもらう。→締切前の1週間に「出せるレベル」にする。後は諦めるだけ→願書提出。神に祈る。
修士論文の第1章を執筆。
〈6月〉
予定通り、予備審査を通過。
学部時代のゼミの担当教官、授業やオフィスアワーで複数回交流のあった先生、そして現在の指導教官に推薦状作成を依頼する。
願書記入作業を開始。
英文成績証明書等の発行を出身大学・大学院に依頼。
修士論文の第2章を執筆。
〈7月〉
願書の清書を作成した後、最終チェックを1週間ほどかけて飽きるまで行う。
推薦状3通を入手。
推薦状と成績証明書と願書を封筒に入れてパンパンにした後、7月31日までに日米教育委員会に送る→「俺が勝つに決まってんだろ!!勝つのは俺だ!!」とか思いながら内心神に祈る。
〈8月〉
GREを受験し、合計1500点を越えたので受験を止める。
大学院出願校の目途を付ける作業を行う。気になる教授にはメールを送って自分の課題が研究可能かどうか聞く。
修士論文2章の続きを執筆。
〈9月〉
フルブライト奨学金最終審査に備えて面接の準備を行う。大学院の友達や後輩、姉や弟に協力してもらう。
大学院出願校を決めて出願手続きを確認しておく。
修士論文第3章を執筆。
〈10月〉
2次審査を突破。11月第1週に東京で面接試験があることを知る。
本腰を入れて面接の特訓を開始。指導教官にも模擬面接をしてもらう。
バイトのシフトを調整して10月末から試験日まで集中できる時間を確保する。
大学院出願用の推薦状作成を再び3名の推薦者に頼む。
10月末日に大学院出願用の英文成績証明書等の発行を出身大学・大学院に依頼。
出願締切の早い大学院の願書を書き始める。
修士論文第3章の続きを執筆。
〈11月〉
〈面接日当日〉
最終審査の面接に臨む。面接前にマクドナルド赤坂見附店の2階で何を喋るか最終チェックを行う。必要に応じて親しい人に電話してチェックしてもらう。
面接時間が近づき、覚悟を決めたら山王グランドビル207号の日米教育委員会事務局へ行く。面接会場のすぐ隣の部屋で10分から15分ほど待つことになるので、机の上にある「アメリカ留学公式ガイドブック」をぱらぱらめくったり(内定すれば後で説明会の時にタダでもらえる)何を喋るか頭の中に思い描く。呼ばれるとすぐに入室する。入室すると自分以外の人間が6人ほど居て、目の前に4人いかにも審査員っぽい人々が居ることを確認する。
ハードな質問が4人から次々英語で浴びせられるが、「バカが・・・誰がかわすっつったよ。オレはメチャクチャ強ェんだ。こんなのダメージにもなりゃしねぇ」(機巧童子ULTIMO5巻、バイスの台詞より)と言わんばかりにこれまで死ぬほど練習してきた通りに真正面から自然に対応する。
面接終了後は礼を言って部屋を出る。そして軽やかな足取りでラーメン屋へ行き、ラーメンを食べて帰宅。自分の全てを出し切った!と思いながら寝る。
面接した次の日から出願締切の遅い大学院出願用の書類を書き始める。
全ての推薦状を入手。
出願締切の早い大学院に出願。
修士論文中間報告会出席。
〈12月〉
フルブライト奨学金内定の通知を受領。酒を飲む。
Certificate of Fulbright Candidacyを出願予定校分日米教育委員会に依頼。
残る全ての志望大学院に出願。
修士論文第4章を執筆。
〈翌年の1月〉
修士論文第4章を執筆。
修士論文の「はじめに」、と「おわりに」を書く。
修士論文の最終チェック。
〈翌年の2月〉
修士論文最終報告会。フルブライト奨学金の面接に比べれば軽い。
修士獲得。
合格通知が来ないかそわそわし始める。
〈翌年の3月〉
第1志望の大学院から合格通知を受領。酒を飲む。
不合格通知も届く。フルブライトに合格してても案外どうにもならないところもあるんだなと悟る。酒を飲む。
母子手帳を入手して、さっさと英文健康診断書作成作業に移る。
日本の大学院を卒業。身分上フリーターへ。
〈翌年の4月〉
英文健康診断書入手。
合格通知とパスポートコピーと英文健康診断書とその他必要書類を日米教育委員会に送付。
フリーター生活開始。フロンティアもギスギスしてて面白そうだな・・・と思い始めるも時間的・金銭的な問題で断念。
〈翌年の5月〉
サマースクール情報を入手?出立日が明らかになる?
〈翌年の6月〉
フルブライト奨学生に任命される。
身分上はフリーターからフルブライターへ進化→攻略完了。
鼻水が止まらないので(終)に続く。
4.フルブライト奨学金受験シミュレーション~満輝夫の場合~
満輝夫15歳
高校に入学する。
金が無くて自費で海外留学できないので、日本の大学卒業後にフルブライト奨学生として海外留学することを決意。
情報収集の結果、大学はどこでもいいが、将来大学院出願の際にGREやTOEFLの確固たるスコアが必要になると考え、テストセンターの席を確保しやすい都市部の大学に進学し、そこを拠点にして準備することに決める。
将来的に日本で大学教授になる夢を抱く。
柔道部に入部。部活と勉強を両立する。
アルバイトで貯めたお金で初めてTOEFL-IBTを受けてみるが40点台と撃沈。英語をもっと勉強することに決める。
それから3年の月日が流れた・・・
満輝夫18歳
志望していた大学に入学する。専攻は国際関係論
授業料免除と給付奨学金の恩恵を受ける。
周囲は就職就職、TOEICTOEICと念仏のように唱え出すが、輝夫はTOEFL対策に集中し、1年の後期で80点台をマーク。高校3年間の努力を確認する。
1年の前期からGPAが3.5以上になるように真面目に勉強する。
情報収集の結果、自分の場合は「学生」の身分で出願することになりそうだと考え、アルバイトを探す際にできる限り国際的な問題を取り扱うNGO/NPOや、国際会議の支援業務など自分の研究分野に関連した職業に従事して働く。
ゼミや授業で積極的に発言し、担当教官に認められるよう努力する。
それから3年の月日が流れた・・・
満輝夫21歳
都市部の大学に設置された大学院修士課程に進学することを決意する。
大学院に合格した後、卒業までの半年間で早くもGRE対策を始める。
4年時に受験したTOEFLで100点を突破。
国際関係論に関する卒論を執筆。
首席で大学を卒業。
GPA3.95
満輝夫22歳
大学院に入学。
授業料免除と奨学金の恩恵を受ける。
1年からGRE受験を開始。
1本学会誌に投稿論文を出す。
TOEFLが105点を越える。
修士論文の全体像を描く
「履歴書に書けるバイト」を継続
1年終了時に卒業要件単位を全て取得し、GPAは4.0
満輝夫23歳
〈1月~4月〉
TOEFLが110点に届いたので受験を終了。
GREは合計で1400点を越えるようになる。
5月に提出するフルブライト奨学金予備審査願書の構想を練る。主に自分が将来どうなりたいのか、明確なキャリアプランを立てておく。
推薦状を書いてもらう人を誰にするか決める。
修士論文の章立てを決める。
〈5月〉
フルブライト奨学金予備審査用の願書を書く。金が無いので業者には頼めないが、指導教官及び知り合いの留学生に頼んでチェックしてもらう。→締切前の1週間に「出せるレベル」にする。後は諦めるだけ→願書提出。神に祈る。
修士論文の第1章を執筆。
〈6月〉
予定通り、予備審査を通過。
学部時代のゼミの担当教官、授業やオフィスアワーで複数回交流のあった先生、そして現在の指導教官に推薦状作成を依頼する。
願書記入作業を開始。
英文成績証明書等の発行を出身大学・大学院に依頼。
修士論文の第2章を執筆。
〈7月〉
願書の清書を作成した後、最終チェックを1週間ほどかけて飽きるまで行う。
推薦状3通を入手。
推薦状と成績証明書と願書を封筒に入れてパンパンにした後、7月31日までに日米教育委員会に送る→「俺が勝つに決まってんだろ!!勝つのは俺だ!!」とか思いながら内心神に祈る。
〈8月〉
GREを受験し、合計1500点を越えたので受験を止める。
大学院出願校の目途を付ける作業を行う。気になる教授にはメールを送って自分の課題が研究可能かどうか聞く。
修士論文2章の続きを執筆。
〈9月〉
フルブライト奨学金最終審査に備えて面接の準備を行う。大学院の友達や後輩、姉や弟に協力してもらう。
大学院出願校を決めて出願手続きを確認しておく。
修士論文第3章を執筆。
〈10月〉
2次審査を突破。11月第1週に東京で面接試験があることを知る。
本腰を入れて面接の特訓を開始。指導教官にも模擬面接をしてもらう。
バイトのシフトを調整して10月末から試験日まで集中できる時間を確保する。
大学院出願用の推薦状作成を再び3名の推薦者に頼む。
10月末日に大学院出願用の英文成績証明書等の発行を出身大学・大学院に依頼。
出願締切の早い大学院の願書を書き始める。
修士論文第3章の続きを執筆。
〈11月〉
〈面接日当日〉
最終審査の面接に臨む。面接前にマクドナルド赤坂見附店の2階で何を喋るか最終チェックを行う。必要に応じて親しい人に電話してチェックしてもらう。
面接時間が近づき、覚悟を決めたら山王グランドビル207号の日米教育委員会事務局へ行く。面接会場のすぐ隣の部屋で10分から15分ほど待つことになるので、机の上にある「アメリカ留学公式ガイドブック」をぱらぱらめくったり(内定すれば後で説明会の時にタダでもらえる)何を喋るか頭の中に思い描く。呼ばれるとすぐに入室する。入室すると自分以外の人間が6人ほど居て、目の前に4人いかにも審査員っぽい人々が居ることを確認する。
ハードな質問が4人から次々英語で浴びせられるが、「バカが・・・誰がかわすっつったよ。オレはメチャクチャ強ェんだ。こんなのダメージにもなりゃしねぇ」(機巧童子ULTIMO5巻、バイスの台詞より)と言わんばかりにこれまで死ぬほど練習してきた通りに真正面から自然に対応する。
面接終了後は礼を言って部屋を出る。そして軽やかな足取りでラーメン屋へ行き、ラーメンを食べて帰宅。自分の全てを出し切った!と思いながら寝る。
面接した次の日から出願締切の遅い大学院出願用の書類を書き始める。
全ての推薦状を入手。
出願締切の早い大学院に出願。
修士論文中間報告会出席。
〈12月〉
フルブライト奨学金内定の通知を受領。酒を飲む。
Certificate of Fulbright Candidacyを出願予定校分日米教育委員会に依頼。
残る全ての志望大学院に出願。
修士論文第4章を執筆。
〈翌年の1月〉
修士論文第4章を執筆。
修士論文の「はじめに」、と「おわりに」を書く。
修士論文の最終チェック。
〈翌年の2月〉
修士論文最終報告会。フルブライト奨学金の面接に比べれば軽い。
修士獲得。
合格通知が来ないかそわそわし始める。
〈翌年の3月〉
第1志望の大学院から合格通知を受領。酒を飲む。
不合格通知も届く。フルブライトに合格してても案外どうにもならないところもあるんだなと悟る。酒を飲む。
母子手帳を入手して、さっさと英文健康診断書作成作業に移る。
日本の大学院を卒業。身分上フリーターへ。
〈翌年の4月〉
英文健康診断書入手。
合格通知とパスポートコピーと英文健康診断書とその他必要書類を日米教育委員会に送付。
フリーター生活開始。フロンティアもギスギスしてて面白そうだな・・・と思い始めるも時間的・金銭的な問題で断念。
〈翌年の5月〉
サマースクール情報を入手?出立日が明らかになる?
〈翌年の6月〉
フルブライト奨学生に任命される。
身分上はフリーターからフルブライターへ進化→攻略完了。
鼻水が止まらないので(終)に続く。
2011年4月12日火曜日
フルブライト奨学金攻略法 (8)
(7)の続き
(5)推薦状
最後の項目は推薦状であるが、第5位にした通り、これはおそらく決め手にはならない。あくまで出願書類上で出願者が書いている内容を補足するために審査員が使うためのものが推薦状である。そもそも内容が無い場合は補足できない。
しかし、推薦状は出願プロセス全般(内定後の大学院出願も含む)に渡って必要になる上、本来的には自分ではなく他人が準備するものなので、用意するのに時間がかかる点で注意すべき項目だと言える。おそらく多くの出願者がフルブライト用の3通と後の出願用の推薦状を書いてもらう推薦者を変えないと思うので、もし推薦者と日常的に連絡が取れない場合、この段階で出願先大学の推薦状も頼むことになる場合もある。個人的には予備審査に合格した後すぐに推薦者に依頼できるよう、あらかじめ頼んでおく必要は無いが、誰に推薦してもらうかは決めておいた方が良いと思う。そして、出願締切の最低1ヶ月前には推薦者に頼んでおいたほうが良い。推薦状が足りなかっただけでも願書が受理されない場合があるからだ。もちろん推薦状は英文である。和文で書かれると第三者による翻訳を付けることになって余計めんどくさくなるので注意である。
また、それ以前の問題として、出願者が自ら推薦状の「下書き」を作らなければならない状況もおそらく多く存在すると思う。この場合はAMAZONなどで「大学院留学 推薦状」のAND検索をして、引っかかった本を参考にしながら自分で作るしかない。理想としては大学時代や職場で自分を良く知る目上の人(偉いより「良く知っている」ということの方が重要)に作成してもらうのが一番だが、英語が達者で出願者を知っていてかつ推薦状を書いてくれるやる気のある目上の人というのは、なかなか存在しない場合も多いと思う。とんだ茶番だが、例えば2人以上「下書きを書いてくれ」、「自分で書いてくれ」と頼んできた場合はそれぞれ推薦者に応じて内容を変えながら出願者が自分で作るしかない。この場合も、確かにやっつけ仕事みたいなものだが、やっつけでやらないこと。願書と同じく細心の注意を払って作成することを忘れないように。
この自分で作成する推薦状の下書きについては、俺が説明するより上記の検索で出てきた本を読んだ方が早いが、一応大切なことを書いておくと、あまり素晴らしい内容ばかり書かない方が良い。素晴らしい内容ばかりだとどうしても嘘くさくなるので、自分で書く場合は意識して学生時代、あるいは職場において推薦者が分かるような短所を入れ込むことを忘れないように。また、例えば「課題に真剣に取り組む故に他人に対して厳しい態度だった」という定番のでっち上げ短所があるのだが、このように短所と言っても遅刻、不従順、虚言癖、犯罪履歴などの単純な短所ではなく、理由ある短所を書いた方が良い。これもろくでもない茶番だが、出願手続きは個々人の現実を汲み取ってくれないので仕方が無いと割り切るしかない。パーソナルステートメントやエッセイのように十分な時間を費やして作成すること。
さて、ここまではフルブライト奨学金選考プロセスで戦うための力を手入れるための方法(戦略)を書いてきた。次は、より戦術レベルに近く、内定するためには、時系列順にどのように出願者が備え、対応しなくてはならないか、ということを例示してみよう。これから示す例のように徹底的に備えてくるとはっきり言って気持ち悪いが、まだ高校生や大学生で、かつ俺のように貧乏で自費で留学できる可能性が0%だという人にとっては特に有益だと思う。また、スネ夫やトンガリの如く「ママやパパがいくらでも留学費用や生活費を負担してくれるけど、お金がもったいないし、フルブライターのステータスは今後出世するために獲得しておきたいの」と考えている人にとっても具体的な戦い方のイメージが湧くので有益だろう。
少し眠いので(9)に続く
(5)推薦状
最後の項目は推薦状であるが、第5位にした通り、これはおそらく決め手にはならない。あくまで出願書類上で出願者が書いている内容を補足するために審査員が使うためのものが推薦状である。そもそも内容が無い場合は補足できない。
しかし、推薦状は出願プロセス全般(内定後の大学院出願も含む)に渡って必要になる上、本来的には自分ではなく他人が準備するものなので、用意するのに時間がかかる点で注意すべき項目だと言える。おそらく多くの出願者がフルブライト用の3通と後の出願用の推薦状を書いてもらう推薦者を変えないと思うので、もし推薦者と日常的に連絡が取れない場合、この段階で出願先大学の推薦状も頼むことになる場合もある。個人的には予備審査に合格した後すぐに推薦者に依頼できるよう、あらかじめ頼んでおく必要は無いが、誰に推薦してもらうかは決めておいた方が良いと思う。そして、出願締切の最低1ヶ月前には推薦者に頼んでおいたほうが良い。推薦状が足りなかっただけでも願書が受理されない場合があるからだ。もちろん推薦状は英文である。和文で書かれると第三者による翻訳を付けることになって余計めんどくさくなるので注意である。
また、それ以前の問題として、出願者が自ら推薦状の「下書き」を作らなければならない状況もおそらく多く存在すると思う。この場合はAMAZONなどで「大学院留学 推薦状」のAND検索をして、引っかかった本を参考にしながら自分で作るしかない。理想としては大学時代や職場で自分を良く知る目上の人(偉いより「良く知っている」ということの方が重要)に作成してもらうのが一番だが、英語が達者で出願者を知っていてかつ推薦状を書いてくれるやる気のある目上の人というのは、なかなか存在しない場合も多いと思う。とんだ茶番だが、例えば2人以上「下書きを書いてくれ」、「自分で書いてくれ」と頼んできた場合はそれぞれ推薦者に応じて内容を変えながら出願者が自分で作るしかない。この場合も、確かにやっつけ仕事みたいなものだが、やっつけでやらないこと。願書と同じく細心の注意を払って作成することを忘れないように。
この自分で作成する推薦状の下書きについては、俺が説明するより上記の検索で出てきた本を読んだ方が早いが、一応大切なことを書いておくと、あまり素晴らしい内容ばかり書かない方が良い。素晴らしい内容ばかりだとどうしても嘘くさくなるので、自分で書く場合は意識して学生時代、あるいは職場において推薦者が分かるような短所を入れ込むことを忘れないように。また、例えば「課題に真剣に取り組む故に他人に対して厳しい態度だった」という定番のでっち上げ短所があるのだが、このように短所と言っても遅刻、不従順、虚言癖、犯罪履歴などの単純な短所ではなく、理由ある短所を書いた方が良い。これもろくでもない茶番だが、出願手続きは個々人の現実を汲み取ってくれないので仕方が無いと割り切るしかない。パーソナルステートメントやエッセイのように十分な時間を費やして作成すること。
さて、ここまではフルブライト奨学金選考プロセスで戦うための力を手入れるための方法(戦略)を書いてきた。次は、より戦術レベルに近く、内定するためには、時系列順にどのように出願者が備え、対応しなくてはならないか、ということを例示してみよう。これから示す例のように徹底的に備えてくるとはっきり言って気持ち悪いが、まだ高校生や大学生で、かつ俺のように貧乏で自費で留学できる可能性が0%だという人にとっては特に有益だと思う。また、スネ夫やトンガリの如く「ママやパパがいくらでも留学費用や生活費を負担してくれるけど、お金がもったいないし、フルブライターのステータスは今後出世するために獲得しておきたいの」と考えている人にとっても具体的な戦い方のイメージが湧くので有益だろう。
少し眠いので(9)に続く
2011年4月11日月曜日
フルブライト奨学金攻略法 (7)
(6)の続き
(4)奨学金制度趣旨と研究計画の合致
次は「奨学金制度趣旨と研究計画の合致」であるが、この項目については「英語で書く能力」の際に書いた内容とかなり重複する部分があると思うので、そこで書いたことについてはあまり焦点を当てないことにする。
さて、この項目についての俺の順位付けから分かる通り、俺はこの「奨学金制度趣旨と研究計画の合致」についてはそこまで気を払うような内容ではないと感じている。「日米の相互理解に貢献するリーダー」といっても、別に将来外交官になって北米局とかで勤務する義務は無いし、時代錯誤もいいところの「アメリカかぶれの人」、「アメリカの手先になる人」みたいなつまらない人材をフルブライト奨学金が率先して育てているわけでもないので、書類や面接で「俺はアメリカが大好きだ」という内容のことを無理して書かなくてもいい。そもそもフルブライト奨学金が言っているのは「相互理解」であり、アメリカに対する一方的な好意や影響を意味しない。あくまで日本とアメリカ両国にとっての意義が重要である。
というわけで、この項目についてはやはり何とでも言える、ということが分かる。もちろん「日米外交史におけるアメリカのリーダーの役割」、「サリンジャー文学における喪失と再生」、「現代アメリカにおける民族性の理解」などの研究課題だとものすごく簡単に「奨学金制度趣旨と研究計画の合致」について説明可能だが、「被災時における感染症予防」、「途上国における環境政策」、「水素発電と地球温暖化」など、フルブライト奨学金が該当分野に挙げる「グローバル社会の諸問題」や「現代社会が抱える問題」に貢献できる「研究」も、理系文系問わず無数に存在する。変に「別に俺の研究日米関係とかに関係ないしなあ・・・」とか考えずに、とりあえず現代の国際社会が広く抱える問題の解決に、自分の研究が貢献できることを予備審査で説明すれば(最終的に内定できるかどうかは別にして)そこであまり落ちることは無いと思う。
この点、個人的にはあまり上記した意味で全く該当する研究分野に入らないものは思いつかないが、例えば「クマムシの生態」をそのまま研究課題に書いた場合は流石に予備審査で落とされるかもしれない。ただ、これも言い方次第で結構どうにかなるものであり、クマムシの生態を解明することがどのように現代社会の問題解決に役立つのか、ということを説明できれば、逆に面白い研究として際立たせることができるかもしれない。この意味でやはり「英語で書く能力」について述べた内容が重要になるだろう。
また、よくある考え方だと思うが、「選考プロセスでフルブライト奨学金の成り立ちを知っているのか全て喋らされるのか」という発想もあるかもしれない。例えば他の奨学金では、伊藤国際教育交流財団については、書類で「奨学金制度趣旨と奨学生になるにあたっての抱負」を書いたが、面接では特に聞かれなかった。しかし知り合いのロータリアンに聞いた話だと、ロータリー奨学金の場合は成り立ちを全部知らないといけないらしい・・・。もっとも俺は多分ロータリーのような財団に嫌われるタイプの人間だと思うので受けてないから実際の所は知らないが。それではフルブライト奨学金はどうかと言うと、俺の場合は人生で2回行った面接で両方とも「君はフルブライト奨学金の歴史を知っているか」といった質問はされていない。
他方で、それでは「フルブライトの制度趣旨やら歴史やらを完全に無視してもいいのか」と言えば、それは(当たり前だが)やはり無視すべきではない。就職の際に企業研究なしに入社試験や面接を受けることが自殺行為であるのと同じである。図書館で関連書籍を全部借りて読めとは言わないが、少なくともウェブサイトで述べている内容ぐらいは知っておくべきだし、受給内容や選考プロセスなども当然頭に入れておくべきである。
目がかゆいので(8)に続く
(4)奨学金制度趣旨と研究計画の合致
次は「奨学金制度趣旨と研究計画の合致」であるが、この項目については「英語で書く能力」の際に書いた内容とかなり重複する部分があると思うので、そこで書いたことについてはあまり焦点を当てないことにする。
さて、この項目についての俺の順位付けから分かる通り、俺はこの「奨学金制度趣旨と研究計画の合致」についてはそこまで気を払うような内容ではないと感じている。「日米の相互理解に貢献するリーダー」といっても、別に将来外交官になって北米局とかで勤務する義務は無いし、時代錯誤もいいところの「アメリカかぶれの人」、「アメリカの手先になる人」みたいなつまらない人材をフルブライト奨学金が率先して育てているわけでもないので、書類や面接で「俺はアメリカが大好きだ」という内容のことを無理して書かなくてもいい。そもそもフルブライト奨学金が言っているのは「相互理解」であり、アメリカに対する一方的な好意や影響を意味しない。あくまで日本とアメリカ両国にとっての意義が重要である。
というわけで、この項目についてはやはり何とでも言える、ということが分かる。もちろん「日米外交史におけるアメリカのリーダーの役割」、「サリンジャー文学における喪失と再生」、「現代アメリカにおける民族性の理解」などの研究課題だとものすごく簡単に「奨学金制度趣旨と研究計画の合致」について説明可能だが、「被災時における感染症予防」、「途上国における環境政策」、「水素発電と地球温暖化」など、フルブライト奨学金が該当分野に挙げる「グローバル社会の諸問題」や「現代社会が抱える問題」に貢献できる「研究」も、理系文系問わず無数に存在する。変に「別に俺の研究日米関係とかに関係ないしなあ・・・」とか考えずに、とりあえず現代の国際社会が広く抱える問題の解決に、自分の研究が貢献できることを予備審査で説明すれば(最終的に内定できるかどうかは別にして)そこであまり落ちることは無いと思う。
この点、個人的にはあまり上記した意味で全く該当する研究分野に入らないものは思いつかないが、例えば「クマムシの生態」をそのまま研究課題に書いた場合は流石に予備審査で落とされるかもしれない。ただ、これも言い方次第で結構どうにかなるものであり、クマムシの生態を解明することがどのように現代社会の問題解決に役立つのか、ということを説明できれば、逆に面白い研究として際立たせることができるかもしれない。この意味でやはり「英語で書く能力」について述べた内容が重要になるだろう。
また、よくある考え方だと思うが、「選考プロセスでフルブライト奨学金の成り立ちを知っているのか全て喋らされるのか」という発想もあるかもしれない。例えば他の奨学金では、伊藤国際教育交流財団については、書類で「奨学金制度趣旨と奨学生になるにあたっての抱負」を書いたが、面接では特に聞かれなかった。しかし知り合いのロータリアンに聞いた話だと、ロータリー奨学金の場合は成り立ちを全部知らないといけないらしい・・・。もっとも俺は多分ロータリーのような財団に嫌われるタイプの人間だと思うので受けてないから実際の所は知らないが。それではフルブライト奨学金はどうかと言うと、俺の場合は人生で2回行った面接で両方とも「君はフルブライト奨学金の歴史を知っているか」といった質問はされていない。
他方で、それでは「フルブライトの制度趣旨やら歴史やらを完全に無視してもいいのか」と言えば、それは(当たり前だが)やはり無視すべきではない。就職の際に企業研究なしに入社試験や面接を受けることが自殺行為であるのと同じである。図書館で関連書籍を全部借りて読めとは言わないが、少なくともウェブサイトで述べている内容ぐらいは知っておくべきだし、受給内容や選考プロセスなども当然頭に入れておくべきである。
目がかゆいので(8)に続く
2011年4月8日金曜日
フルブライト奨学金攻略法 (6)
(5)の続き
(3)これまでの学業成績・業績
若干(2)で書いたことと重複する部分もあるので特に「業績」を得る手段については割愛するが、フルブライト奨学金に内定するためには優秀な学業成績を持っている方が有利になるだろう。先に述べたように英語能力と違って必須項目では無いが、成績は良ければ良いほど「有利」になる。
当然だが、ここで言う「成績」は、(日本の場合は特に)学部生時代の成績を意味する。大卒後の学生の身分を持っていれば分かると思うが、日本の(専門職学位を除く)大学院の成績判定は死ぬほど甘いので、適当にやってもGPAは4.0に(半自動的に)なる。
なので、フルブライト奨学生に内定するための「成績」を手に入れるための努力は、主として学部生時代に行っておくことになる。「行っておく」と書いた通り、これはやってなかった人には取り返しの付かない作業なので、その意味では重要である。どうやって成績を良くするのか、と言っても分野ごとにテストで求められる知識が異なるので俺がここで完全攻略法を示すことはできないが、学部生の人はたとえバイトをしててもサークルをしてても恋愛をしてても半ニート生活をしてても大学に行かずに資格試験の勉強ばっかりしてても、最低試験日1ヶ月前からは大学で求められるテスト勉強に集中するべきである。特に後期の期末などは毎年正月明け後かなり早いペースでテストが行われる場合が多い、ということは1年学生生活をすれば分かることなので、毎年「あーまた飲みすぎちまった・・・毎年毎年こんな早くにテストやる大学が悪ぃんだよ・・。え?あ、あのテスト昨日やってたのか・・・まあいいや」みたいなことにはならないように心がけた方が良い。
また、この成績について言えば、どの程度の成績があれば奨学生になれる、ということは無い。もっとも個人的には「GPA3.5以下の奴はどうしてその分野の代表として奨学生になれるのか説得力に欠けるんじゃねえの?だって優秀じゃねえじゃん全然その分野の勉強できてないじゃん」、と言われても仕方ないと思うし、奨学生に内定した後、当該分野で全米トップ10に入り、かつスタンフォードやバージニアのようにクラスサイズが小さい大学に出願する場合は、この意味で「優秀じゃない奴」を大目に見てくれないかもしれないとは思う。何より同じような英語能力、経歴と研究課題を持った出願者が2人居て片方のGPAが3.0で、片方のGPAが3.8だったら、それは3.8の方を採用するに決まっている。いつか書いたようにこれはそこら辺を歩いているおばちゃんに選ばせても(変な下駄とかを履かせない限り)自明な事である。低いGPAでもどうにかなったケースというのは、たまたまこういった「真の競合者」が居なかっただけなので、「勉強しなくてもどうにかなる」、「成績が悪くてもどうにかなる」という言説に従うことは少なくともプラスにはならない。この意味で成績を良くするという作業は、実は選考プロセスにおける絶対的なアドバンテージを得るというよりは、「真の競合者」との戦いにおいて負ける可能性を減らすという意味でリスクマネジメントに近い作業である。
腹が減ってきたので(7)に続く
(3)これまでの学業成績・業績
若干(2)で書いたことと重複する部分もあるので特に「業績」を得る手段については割愛するが、フルブライト奨学金に内定するためには優秀な学業成績を持っている方が有利になるだろう。先に述べたように英語能力と違って必須項目では無いが、成績は良ければ良いほど「有利」になる。
当然だが、ここで言う「成績」は、(日本の場合は特に)学部生時代の成績を意味する。大卒後の学生の身分を持っていれば分かると思うが、日本の(専門職学位を除く)大学院の成績判定は死ぬほど甘いので、適当にやってもGPAは4.0に(半自動的に)なる。
なので、フルブライト奨学生に内定するための「成績」を手に入れるための努力は、主として学部生時代に行っておくことになる。「行っておく」と書いた通り、これはやってなかった人には取り返しの付かない作業なので、その意味では重要である。どうやって成績を良くするのか、と言っても分野ごとにテストで求められる知識が異なるので俺がここで完全攻略法を示すことはできないが、学部生の人はたとえバイトをしててもサークルをしてても恋愛をしてても半ニート生活をしてても大学に行かずに資格試験の勉強ばっかりしてても、最低試験日1ヶ月前からは大学で求められるテスト勉強に集中するべきである。特に後期の期末などは毎年正月明け後かなり早いペースでテストが行われる場合が多い、ということは1年学生生活をすれば分かることなので、毎年「あーまた飲みすぎちまった・・・毎年毎年こんな早くにテストやる大学が悪ぃんだよ・・。え?あ、あのテスト昨日やってたのか・・・まあいいや」みたいなことにはならないように心がけた方が良い。
また、この成績について言えば、どの程度の成績があれば奨学生になれる、ということは無い。もっとも個人的には「GPA3.5以下の奴はどうしてその分野の代表として奨学生になれるのか説得力に欠けるんじゃねえの?だって優秀じゃねえじゃん全然その分野の勉強できてないじゃん」、と言われても仕方ないと思うし、奨学生に内定した後、当該分野で全米トップ10に入り、かつスタンフォードやバージニアのようにクラスサイズが小さい大学に出願する場合は、この意味で「優秀じゃない奴」を大目に見てくれないかもしれないとは思う。何より同じような英語能力、経歴と研究課題を持った出願者が2人居て片方のGPAが3.0で、片方のGPAが3.8だったら、それは3.8の方を採用するに決まっている。いつか書いたようにこれはそこら辺を歩いているおばちゃんに選ばせても(変な下駄とかを履かせない限り)自明な事である。低いGPAでもどうにかなったケースというのは、たまたまこういった「真の競合者」が居なかっただけなので、「勉強しなくてもどうにかなる」、「成績が悪くてもどうにかなる」という言説に従うことは少なくともプラスにはならない。この意味で成績を良くするという作業は、実は選考プロセスにおける絶対的なアドバンテージを得るというよりは、「真の競合者」との戦いにおいて負ける可能性を減らすという意味でリスクマネジメントに近い作業である。
腹が減ってきたので(7)に続く
2011年4月7日木曜日
フルブライト奨学金攻略法 (5)
(4)の続き
(2)経歴・履歴
先に述べたように、フルブライト奨学生に選抜されるための経歴・履歴とは、「出願書類上で示した自分の関心と留学目的を補足し、整合性あるものとして審査員に感得させる経歴・履歴」を意味している。フルブライト奨学金の応募資格の1つに「学士を持っていること=大卒以上」という項目があるので、必然的に出願者は同分野の出願者とは単なる「大学卒業」の肩書き以上の履歴・経歴で差を付けるための努力をすることになる。ちなみにここで言う「大卒以上」とは「卒業見込み」を意味しないため、今年大学4年生になったばかりの人は応募資格を持たない点に注意しなければならない。今年大学4年の人は卒業した年の5月にはじめて出願できるということである。
実は俺は重要性の点で第2位にこの「経歴・履歴」を挙げたが、実際の所はそんなに差が付かないのではないかと思う。もちろん大学卒業後何もしていない人が「~大学~学部卒業」のみを履歴に書いて出願していた場合、「~大学~学部卒業、~大学大学院~学科卒業」を持つ人や、「~大学~学部卒業、~社~部勤務」と書いた人との戦いでは不利になるだろう。これは当然である。実際、特に「学生」の身分で出願した人について言うと、現在修士の人と博士に在籍している人(修士を既に持っている人)の割合で言えば、前年度も今年度も博士に在籍している人の方がより多く内定している。しかし、このような履歴を持っている「学生」はいくらでも出願してくるので、その意味では差が付きにくいと思う。これは実務の人も似たり寄ったりで、一流企業が三流企業に経歴の点で勝るのかと言えば、そういうわけでもないと思う。
それではどうやって差を付けるような履歴を作るのかというと、やはり自分が書いた研究課題に対応している履歴を書けるのが一番良い。例えば「都市の公共事業」を研究課題として書く場合、出願者はそれに関連した学歴、論文、職歴(特に関連した業務内容)があるという事実を当然のごとく書くべきである。さらに、ここで言う「経歴」はあくまで「出願書類に書いた研究課題に対応しているもの」が望ましいのだから、たとえ学生時代にやった市役所の~課で行ったパートタイムであっても関連性が認められるのであれば書くべきだ。もちろん国際法を研究すると書いた人間がセブンイレブンのレジ打ちを職歴に書いてもポイントにはならないが、「~国際会議の支援業務を行った」、「~という国際機関でインターンを行った」という事実は当然ポイントになる。何より当該研究分野に関心を持っているという事実を補足するし、(1)で述べた英語能力の中身を作り、実際に書類と面接でそれをアピールできる。
特に俺が採用されているLawの分野でLL.M.に出願しようと考えている人については、確かに職歴を持っている実務家の方が合格しやすいという側面がある。「専門職学位」の枠組みで出しているのだから、当然「実務経験」で何かアピールできるものがあった方が良い。これは後の大学院出願の際にもかなり重要視されるポイントである。日本の大学院に所属していて、これまで何もフルタイムで勤務した経験が無い人は、特に上述した意味での関連性を持つパートタイムや、インターンの機会を有効活用するべきだと思う。実際俺はNYUのアプリケーションにフルタイム勤務をNone listedにして、添付したレジュメやパーソナルステートメントでこれまで行ってきた「関連性ある」パートタイムについて書いて普通に合格している。 これは何もLawの枠だけではなく、専門職学位プログラムに出願する「学生」の身分の人全てに言えることだと思うので、この枠で出そうという人は、よく考えて日本での学部4年と修士2年、博士3年を過ごした方が良い。
たまには短くてもいいと思うので(6)に続く
(2)経歴・履歴
先に述べたように、フルブライト奨学生に選抜されるための経歴・履歴とは、「出願書類上で示した自分の関心と留学目的を補足し、整合性あるものとして審査員に感得させる経歴・履歴」を意味している。フルブライト奨学金の応募資格の1つに「学士を持っていること=大卒以上」という項目があるので、必然的に出願者は同分野の出願者とは単なる「大学卒業」の肩書き以上の履歴・経歴で差を付けるための努力をすることになる。ちなみにここで言う「大卒以上」とは「卒業見込み」を意味しないため、今年大学4年生になったばかりの人は応募資格を持たない点に注意しなければならない。今年大学4年の人は卒業した年の5月にはじめて出願できるということである。
実は俺は重要性の点で第2位にこの「経歴・履歴」を挙げたが、実際の所はそんなに差が付かないのではないかと思う。もちろん大学卒業後何もしていない人が「~大学~学部卒業」のみを履歴に書いて出願していた場合、「~大学~学部卒業、~大学大学院~学科卒業」を持つ人や、「~大学~学部卒業、~社~部勤務」と書いた人との戦いでは不利になるだろう。これは当然である。実際、特に「学生」の身分で出願した人について言うと、現在修士の人と博士に在籍している人(修士を既に持っている人)の割合で言えば、前年度も今年度も博士に在籍している人の方がより多く内定している。しかし、このような履歴を持っている「学生」はいくらでも出願してくるので、その意味では差が付きにくいと思う。これは実務の人も似たり寄ったりで、一流企業が三流企業に経歴の点で勝るのかと言えば、そういうわけでもないと思う。
それではどうやって差を付けるような履歴を作るのかというと、やはり自分が書いた研究課題に対応している履歴を書けるのが一番良い。例えば「都市の公共事業」を研究課題として書く場合、出願者はそれに関連した学歴、論文、職歴(特に関連した業務内容)があるという事実を当然のごとく書くべきである。さらに、ここで言う「経歴」はあくまで「出願書類に書いた研究課題に対応しているもの」が望ましいのだから、たとえ学生時代にやった市役所の~課で行ったパートタイムであっても関連性が認められるのであれば書くべきだ。もちろん国際法を研究すると書いた人間がセブンイレブンのレジ打ちを職歴に書いてもポイントにはならないが、「~国際会議の支援業務を行った」、「~という国際機関でインターンを行った」という事実は当然ポイントになる。何より当該研究分野に関心を持っているという事実を補足するし、(1)で述べた英語能力の中身を作り、実際に書類と面接でそれをアピールできる。
特に俺が採用されているLawの分野でLL.M.に出願しようと考えている人については、確かに職歴を持っている実務家の方が合格しやすいという側面がある。「専門職学位」の枠組みで出しているのだから、当然「実務経験」で何かアピールできるものがあった方が良い。これは後の大学院出願の際にもかなり重要視されるポイントである。日本の大学院に所属していて、これまで何もフルタイムで勤務した経験が無い人は、特に上述した意味での関連性を持つパートタイムや、インターンの機会を有効活用するべきだと思う。実際俺はNYUのアプリケーションにフルタイム勤務をNone listedにして、添付したレジュメやパーソナルステートメントでこれまで行ってきた「関連性ある」パートタイムについて書いて普通に合格している。 これは何もLawの枠だけではなく、専門職学位プログラムに出願する「学生」の身分の人全てに言えることだと思うので、この枠で出そうという人は、よく考えて日本での学部4年と修士2年、博士3年を過ごした方が良い。
たまには短くてもいいと思うので(6)に続く
2011年4月6日水曜日
フルブライト奨学金攻略法 (4)
(3)の続き
英語で会話する能力について
次は最終審査の山王グランドビルの日米教育委員会事務所で行われる英語面接で必要になる英語で会話する能力をどのように手に入れるかについて述べる。2次の書類審査が一番厳しいという話(感想)もあるみたいだが、最終審査も事実として結構落ちる人は落ちる。しかもこの最終審査の15分間で失敗してダメだった人は、俺のように留学する金が無ければもう一度来年5月の予備審査からやり直すことになるわけだから、出願者は全員クイズミリオネアの1000万円チャレンジの場か、LIAR GAMEファイナルステージに参加するつもりでギスギスした気持ちで臨むべきだ。「もっと楽しんでやろうよ!!」とかの意見は実際の真剣勝負の場を経験したことが無い奴のクソの価値しか無いアドバイスなので、最終審査に残った人はそんなもん無視して良い(というか無視せざるを得ない)。何十人も居る他の出願者を殺すつもりでやるべきだ。結局はそういうことである。後悔も満足も負けた後か勝った後に好きなだけすればいい。
さて、フルブライト奨学金選考プロセスで必要になる英語で会話する能力とは何だろうか。この点に関してもTOEFLのスピーキングで必要になる基本スキル(リスニング能力を含めた会話能力、発音など)は皆準備してくるものなのでこのブログでは説明を省く。
実は俺の考えだと(3)で書いた英語で書く能力を上手く備えた人間は、この英語で会話する能力のほとんどを自動的に手に入れることができる。少なくとも何を喋るのか、ということについて戦略的に備えることができる。この点について参考になるのが若干手前味噌だが実際去年の面接後に書いた俺の記事である。そこには俺が喋らなければならなかった内容として具体的に、
俺の専門領域について
何でそれを研究したいのか
専門領域の研究に必要な視点(Theoretical Framework) について
俺のキャリアプランについて
俺の出願先について
海外経験が全く無いことについて
専門領域の有名な学者
が面接官に聞かれた質問として存在した、とある。これを攻略法(3)で書いた「柱」に対応させてみると、
(第1の柱)
俺の専門領域について
何でそれを研究したいのか
専門領域の有名な学者
(第2の柱)
俺のキャリアプランについて
海外経験が全く無いことについて
(第3の柱)
俺の出願先について
(若干のイレギュラー)
専門領域の研究に必要な視点(Theoretical Framework) について
となり、1つのイレギュラーを除いて、全ての会話の内容が自分が出願書類に書いた内容を基にして喋ることができるものだということが分かる。したがって、出願者が英語で会話する能力を得るためにしなければならない準備とは、自分が提出した出願書類に書いた内容から推測される予想質問と理想とする回答を作り、質問に回答できるように何度も練習することである。つまり、就職や入試の面接を行う前にすべき当たり前のことを当たり前にやれ、ということだ。個人的にはたとえ仕事を持っている人であっても、10~11月の面接前の最低でも1週間前からは、この「作業」(だけ)に集中できる時間を取るべきだと思う。これは内定を得るためのアドバイスではなく、後悔しないためのアドバイスである。
さて、書いていることなのでもうお分かりになると思うが、その「作業」をやってもそこから想定できない質問が審査員から発せられるケース(イレギュラー)が存在する。しかし出願者がその質問に出会ったとしても、俺は「おいおいそんなの聞いてないよ!!」とか言わないで欲しいと思う。そもそも他人と会話するということ自体、新しい発想を生み出すための契機である。テンプレートを使って会話を擬制するTOEFLのスピーキングとは違い、出願者が審査員と行うのは現実の会話である。上記したイレギュラーな質問は、俺とそこに居た審査員が会話した結果生み出された新たな問いの形であり、(おそらく)その質問をした審査員にとっても用意されたものでなければ、俺にとっても(発想の芽は頭の中にありそうだが)用意されたものではなかったのだ。実際の質問は「それでは君に理論的な質問をしよう。君は君の研究課題について、法学的な視点からアプローチするのか、それとも政治学的な視点からアプローチするのか?」といったものであった。
それではこうしたイレギュラーにどうやって出願者は対処するための能力を備えれば良いだろうか。俺の見解では、(AGガンスのごとき)反射神経が必要になると思う。俺が去年の面接後に書いた記事の中で言う「聞かれた質問に真正面から素直に英語で回答する当たり前の力」とは、まさにこの会話の反射神経だ。あらゆる質問に自然に返答する能力が必要になる。
この反射神経を(意識的に)鍛えるためには、日常的に英会話を行う場を設けるか、実際に自分が用意していない発想を持つ他人に質問してもらうのが一番である。この他人とは世話になっている先生でも、親でも、彼女でも、彼氏でも、兄弟でもおばあちゃんでもおじいちゃんでも良い。しかもあくまで「聞かれた質問に英語で回答す」れば良いのだから、質問してくれる人が全く英語を話せなくても良い。日本語で聞かれた適当な質問に対して、こちらは英語で回答するのだ。回答が上手くできているか不安だと言う人は、スピーキングの練習でいつも使っているレコーダーに録音して聞き返し、辛口の評価を付けて、何度も繰り返し練習すれば良い。この「事情を知る他人」が居ない全くの天涯孤独だ、という人については、難しいがとにかく沢山質問を考えて、沢山それに対する回答を即座に答える練習をしておくべきだ。
また、少し記事が繁雑になるが、俺と同じように英会話において「スロースターター」だと自覚している人は、まさに面接当日、面接時間の前に誰か事情を知っている他人に電話して、上記した作業をしておくと良い。俺は実はこれまでやってきたあらゆる英会話の場面で、あらかじめ英語をある程度喋ってから実際の会話に臨んだ方が英語が上手くなる、という自分の性質を理解していた。なので、実際に昨年の面接前に山王グランドビル前の通りを挟んでちょっと行ったところにあるマクドナルドの2階で、彼女に携帯で電話して(他の人にはちょっと迷惑だが)「何でもいいから質問してくれ」と頼んで上記の練習をやってもらい、その流れで面接に臨んだのである。そこまでするのか、と思う人も居るかもしれないが、これは真剣勝負である。手を抜くと後悔が残るだけで何も良いことは無い。
このように、フルブライト奨学金選考プロセスに要される英語で会話する能力は、具体的な努力無しに得られるものではない。2次の書類に通ったからと言って手を抜く理由はどこにも無いし、もっと言えばたとえ最終審査を経て内定してもLL.M.やMBAなら独自に面接がある学校もあり、合格通知を得ることが奨学生の身分を確定するための条件なのだから、実は内定後も英会話で手を抜けない状況があるということを忘れてはならない。
花粉症がひどくなってきたので(5)に続く
英語で会話する能力について
次は最終審査の山王グランドビルの日米教育委員会事務所で行われる英語面接で必要になる英語で会話する能力をどのように手に入れるかについて述べる。2次の書類審査が一番厳しいという話(感想)もあるみたいだが、最終審査も事実として結構落ちる人は落ちる。しかもこの最終審査の15分間で失敗してダメだった人は、俺のように留学する金が無ければもう一度来年5月の予備審査からやり直すことになるわけだから、出願者は全員クイズミリオネアの1000万円チャレンジの場か、LIAR GAMEファイナルステージに参加するつもりでギスギスした気持ちで臨むべきだ。「もっと楽しんでやろうよ!!」とかの意見は実際の真剣勝負の場を経験したことが無い奴のクソの価値しか無いアドバイスなので、最終審査に残った人はそんなもん無視して良い(というか無視せざるを得ない)。何十人も居る他の出願者を殺すつもりでやるべきだ。結局はそういうことである。後悔も満足も負けた後か勝った後に好きなだけすればいい。
さて、フルブライト奨学金選考プロセスで必要になる英語で会話する能力とは何だろうか。この点に関してもTOEFLのスピーキングで必要になる基本スキル(リスニング能力を含めた会話能力、発音など)は皆準備してくるものなのでこのブログでは説明を省く。
実は俺の考えだと(3)で書いた英語で書く能力を上手く備えた人間は、この英語で会話する能力のほとんどを自動的に手に入れることができる。少なくとも何を喋るのか、ということについて戦略的に備えることができる。この点について参考になるのが若干手前味噌だが実際去年の面接後に書いた俺の記事である。そこには俺が喋らなければならなかった内容として具体的に、
俺の専門領域について
何でそれを研究したいのか
専門領域の研究に必要な視点(Theoretical Framework) について
俺のキャリアプランについて
俺の出願先について
海外経験が全く無いことについて
専門領域の有名な学者
が面接官に聞かれた質問として存在した、とある。これを攻略法(3)で書いた「柱」に対応させてみると、
(第1の柱)
俺の専門領域について
何でそれを研究したいのか
専門領域の有名な学者
(第2の柱)
俺のキャリアプランについて
海外経験が全く無いことについて
(第3の柱)
俺の出願先について
(若干のイレギュラー)
専門領域の研究に必要な視点(Theoretical Framework) について
となり、1つのイレギュラーを除いて、全ての会話の内容が自分が出願書類に書いた内容を基にして喋ることができるものだということが分かる。したがって、出願者が英語で会話する能力を得るためにしなければならない準備とは、自分が提出した出願書類に書いた内容から推測される予想質問と理想とする回答を作り、質問に回答できるように何度も練習することである。つまり、就職や入試の面接を行う前にすべき当たり前のことを当たり前にやれ、ということだ。個人的にはたとえ仕事を持っている人であっても、10~11月の面接前の最低でも1週間前からは、この「作業」(だけ)に集中できる時間を取るべきだと思う。これは内定を得るためのアドバイスではなく、後悔しないためのアドバイスである。
さて、書いていることなのでもうお分かりになると思うが、その「作業」をやってもそこから想定できない質問が審査員から発せられるケース(イレギュラー)が存在する。しかし出願者がその質問に出会ったとしても、俺は「おいおいそんなの聞いてないよ!!」とか言わないで欲しいと思う。そもそも他人と会話するということ自体、新しい発想を生み出すための契機である。テンプレートを使って会話を擬制するTOEFLのスピーキングとは違い、出願者が審査員と行うのは現実の会話である。上記したイレギュラーな質問は、俺とそこに居た審査員が会話した結果生み出された新たな問いの形であり、(おそらく)その質問をした審査員にとっても用意されたものでなければ、俺にとっても(発想の芽は頭の中にありそうだが)用意されたものではなかったのだ。実際の質問は「それでは君に理論的な質問をしよう。君は君の研究課題について、法学的な視点からアプローチするのか、それとも政治学的な視点からアプローチするのか?」といったものであった。
それではこうしたイレギュラーにどうやって出願者は対処するための能力を備えれば良いだろうか。俺の見解では、(AGガンスのごとき)反射神経が必要になると思う。俺が去年の面接後に書いた記事の中で言う「聞かれた質問に真正面から素直に英語で回答する当たり前の力」とは、まさにこの会話の反射神経だ。あらゆる質問に自然に返答する能力が必要になる。
この反射神経を(意識的に)鍛えるためには、日常的に英会話を行う場を設けるか、実際に自分が用意していない発想を持つ他人に質問してもらうのが一番である。この他人とは世話になっている先生でも、親でも、彼女でも、彼氏でも、兄弟でもおばあちゃんでもおじいちゃんでも良い。しかもあくまで「聞かれた質問に英語で回答す」れば良いのだから、質問してくれる人が全く英語を話せなくても良い。日本語で聞かれた適当な質問に対して、こちらは英語で回答するのだ。回答が上手くできているか不安だと言う人は、スピーキングの練習でいつも使っているレコーダーに録音して聞き返し、辛口の評価を付けて、何度も繰り返し練習すれば良い。この「事情を知る他人」が居ない全くの天涯孤独だ、という人については、難しいがとにかく沢山質問を考えて、沢山それに対する回答を即座に答える練習をしておくべきだ。
また、少し記事が繁雑になるが、俺と同じように英会話において「スロースターター」だと自覚している人は、まさに面接当日、面接時間の前に誰か事情を知っている他人に電話して、上記した作業をしておくと良い。俺は実はこれまでやってきたあらゆる英会話の場面で、あらかじめ英語をある程度喋ってから実際の会話に臨んだ方が英語が上手くなる、という自分の性質を理解していた。なので、実際に昨年の面接前に山王グランドビル前の通りを挟んでちょっと行ったところにあるマクドナルドの2階で、彼女に携帯で電話して(他の人にはちょっと迷惑だが)「何でもいいから質問してくれ」と頼んで上記の練習をやってもらい、その流れで面接に臨んだのである。そこまでするのか、と思う人も居るかもしれないが、これは真剣勝負である。手を抜くと後悔が残るだけで何も良いことは無い。
このように、フルブライト奨学金選考プロセスに要される英語で会話する能力は、具体的な努力無しに得られるものではない。2次の書類に通ったからと言って手を抜く理由はどこにも無いし、もっと言えばたとえ最終審査を経て内定してもLL.M.やMBAなら独自に面接がある学校もあり、合格通知を得ることが奨学生の身分を確定するための条件なのだから、実は内定後も英会話で手を抜けない状況があるということを忘れてはならない。
花粉症がひどくなってきたので(5)に続く
2011年4月5日火曜日
フルブライト奨学金攻略法 (3)
(2)の続き
3.どうやって選考プロセスで戦うための力を手に入れるか
(1).英語能力
先述した通り、フルブライト奨学金に内定するためには英語能力が非常に重要である。しかも俺が言ったように、単純に「TOEFL~点以上」という意味での英語能力ではなく、もっと大きな意味での英語能力である。具体的には英語で書く能力と英語で会話する能力である。
英語で書く能力について
フルブライト奨学金の選考プロセスにおいては、1次審査(予備審査)で作成する非常に短い研究計画書と奨学金趣旨と研究計画の合致についての説明文、2次審査で作成するパーソナルステートメントと予備審査より長い研究計画書を書くために「英語で書く能力」が求められる。
まず当然の前提だが、TOEFLのライティングで用いられるような基本知識(段落の空け方や文章展開の基本形式)は、出願者は知っていなければならない。これが無いと話にならないが、前提の話(というか出願者のほとんどが当然持っているスキル)なのでこのブログでは説明を省く。
問題は、「どんな内容の文章が求められ、それを書くためにどうすればよいか」ということである。これを考えるために役に立つのが、俺が先に触れた「1.自分の研究が該当分野や社会に与える影響、2.アメリカ留学が自分のキャリアにもたらす影響、3.アメリカ留学の(絶対的とも言えるまでの)必要性」の3本柱である。
まず、「1.自分の研究が当該分野や社会に与える影響」について出願者は文章中で触れるべきである。この世界にはものすごく沢山の「問題」がある。そして、「問題」を解決するための思考と実験の繰り返しが「研究」である。フルブライト奨学金は、アメリカでこの意味での「研究」を行おうとする者を援助するために資金を提供するのだ。なので、当然資金をもらって「研究」を行うものは、そのための資金を提供する者に、自分の「研究」が対応する「問題」に対してどのような影響を与え、意義を持つのかを説明しなければならない。具体的に述べるべき要素を書き出してみると、
(第1の柱)
A. 「問題」に与える影響(the effect of the research on the topic)
B. 自分と同じような問題を「研究」する人々に与える影響(the effect of the research on the field)
C(A+B).自分の「研究」の社会的な価値(the value of the research)
の3点である。これら3点について言及することで、出願者は自分の「研究」が自分以外の人々や社会の発展に与える影響を述べるべきである。これはとりわけ研究計画書を書く際に気を払うべきことである。
さらに、フルブライト奨学金は「将来のリーダー」となりうる人が、自分の資質を伸ばすためにアメリカで研鑽を積むことができるような援助を行うことを目的としているので、「2.アメリカ留学が自分(出願者)のキャリア(成長)にもたらす影響」について、説明しなければならない。具体的に言えば、
(第2の柱)
A.将来の自分の達成目標(なりたい自分)(my career goal)
B.Aのためにこれまで行ってきた努力と成果(my career development to date)
C.Aのために留学がもたらすと予測される影響(the effect of my study abroad on my career goal)
の3点である。これら3点について言及することで、出願者は自分のアメリカ留学が自分自身に与える影響を述べるべきである。これはとりわけパーソナルステートメントを書く際に気を払うべきことである。
そしてこれらを書いた上で、さらに出願者がフルブライト奨学金に対して言明しなければならないことは、「3.アメリカ留学の(絶対的とも言えるまでの)必要性」である。実は上記2点は他の奨学金出願書類でも触れなければならない点だし、奨学金だけではなく研究資金を得るための文章の書き方の基本的な要素なので書くのは当たり前のことであるが、この第3の柱はフルブライト奨学金だからこそ強調すべき要素である。なぜなら、日本人に支給されるフルブライト奨学金は、留学先がアメリカ合衆国に限定されているからである。明白なことだが重要なので強調しておこう。
したがって、出願者は、「イギリスじゃダメなんですか?アメリカじゃないとダメなんですか?」という質問に対して「絶対アメリカじゃないとダメに決まってんだろがこの野郎!!」と答えられるような理由を用意しておくべきである。実際、俺は2年前の面接で「アフリカでも君の研究はできるんじゃないのか」と聞かれたことがある。
はっきり言って、本当のことを言えば「アメリカでしかできない研究」なんて非常に少ない。そんな研究だけで各分野まんべんなく採用することなんてかなり無理があるわけだから、ここで言う「アメリカ留学の必要性」を具体的に挙げると
(第3の柱)
A.なぜ自分の住んでいる国(日本)だとそれが難しいのか(why can't I do it in Japan)
B. (Aと関連して)アメリカで勉強することのメリットとは何か(what's my advantage in studying in the U.S.)
C(A+B).アメリカに留学することの(1と2の柱に対する)意義(the significance of my study in the U.S. on me)
の3点が主な触れるべき論点となる。「なぜアメリカなのか」という理由は、上記2つの柱をより強固にするためのものであり、これが有るものと無いものでは説得力の程度が変わってくる。フルブライト奨学金が「アメリカのみを留学先に強制する」という特質を持っている以上は、出願者はこの点に気を払うべきだ。
これら3本の柱に沿って文章を作成することができればそこそこまっとうな研究計画書やパーソナルステートメントを書くことができるし、後の大学院出願書類作成の際にもこれらを書く技術は応用可能である。ここで述べたことはいわゆる一般的な意味での「ライティングのスキル」ではないが、フルブライト奨学金が求めているのは、そうした形式的な技術以上のより実質的な文章の中身である。そして、それを書くための努力というのは、ライティングの問題を解くのではなく、自分の将来について他人に説明可能な形で具体的に考えることだと思う。
思いの他長くなってしまったので(4)へ続く
3.どうやって選考プロセスで戦うための力を手に入れるか
(1).英語能力
先述した通り、フルブライト奨学金に内定するためには英語能力が非常に重要である。しかも俺が言ったように、単純に「TOEFL~点以上」という意味での英語能力ではなく、もっと大きな意味での英語能力である。具体的には英語で書く能力と英語で会話する能力である。
英語で書く能力について
フルブライト奨学金の選考プロセスにおいては、1次審査(予備審査)で作成する非常に短い研究計画書と奨学金趣旨と研究計画の合致についての説明文、2次審査で作成するパーソナルステートメントと予備審査より長い研究計画書を書くために「英語で書く能力」が求められる。
まず当然の前提だが、TOEFLのライティングで用いられるような基本知識(段落の空け方や文章展開の基本形式)は、出願者は知っていなければならない。これが無いと話にならないが、前提の話(というか出願者のほとんどが当然持っているスキル)なのでこのブログでは説明を省く。
問題は、「どんな内容の文章が求められ、それを書くためにどうすればよいか」ということである。これを考えるために役に立つのが、俺が先に触れた「1.自分の研究が該当分野や社会に与える影響、2.アメリカ留学が自分のキャリアにもたらす影響、3.アメリカ留学の(絶対的とも言えるまでの)必要性」の3本柱である。
まず、「1.自分の研究が当該分野や社会に与える影響」について出願者は文章中で触れるべきである。この世界にはものすごく沢山の「問題」がある。そして、「問題」を解決するための思考と実験の繰り返しが「研究」である。フルブライト奨学金は、アメリカでこの意味での「研究」を行おうとする者を援助するために資金を提供するのだ。なので、当然資金をもらって「研究」を行うものは、そのための資金を提供する者に、自分の「研究」が対応する「問題」に対してどのような影響を与え、意義を持つのかを説明しなければならない。具体的に述べるべき要素を書き出してみると、
(第1の柱)
A. 「問題」に与える影響(the effect of the research on the topic)
B. 自分と同じような問題を「研究」する人々に与える影響(the effect of the research on the field)
C(A+B).自分の「研究」の社会的な価値(the value of the research)
の3点である。これら3点について言及することで、出願者は自分の「研究」が自分以外の人々や社会の発展に与える影響を述べるべきである。これはとりわけ研究計画書を書く際に気を払うべきことである。
さらに、フルブライト奨学金は「将来のリーダー」となりうる人が、自分の資質を伸ばすためにアメリカで研鑽を積むことができるような援助を行うことを目的としているので、「2.アメリカ留学が自分(出願者)のキャリア(成長)にもたらす影響」について、説明しなければならない。具体的に言えば、
(第2の柱)
A.将来の自分の達成目標(なりたい自分)(my career goal)
B.Aのためにこれまで行ってきた努力と成果(my career development to date)
C.Aのために留学がもたらすと予測される影響(the effect of my study abroad on my career goal)
の3点である。これら3点について言及することで、出願者は自分のアメリカ留学が自分自身に与える影響を述べるべきである。これはとりわけパーソナルステートメントを書く際に気を払うべきことである。
そしてこれらを書いた上で、さらに出願者がフルブライト奨学金に対して言明しなければならないことは、「3.アメリカ留学の(絶対的とも言えるまでの)必要性」である。実は上記2点は他の奨学金出願書類でも触れなければならない点だし、奨学金だけではなく研究資金を得るための文章の書き方の基本的な要素なので書くのは当たり前のことであるが、この第3の柱はフルブライト奨学金だからこそ強調すべき要素である。なぜなら、日本人に支給されるフルブライト奨学金は、留学先がアメリカ合衆国に限定されているからである。明白なことだが重要なので強調しておこう。
したがって、出願者は、「イギリスじゃダメなんですか?アメリカじゃないとダメなんですか?」という質問に対して「絶対アメリカじゃないとダメに決まってんだろがこの野郎!!」と答えられるような理由を用意しておくべきである。実際、俺は2年前の面接で「アフリカでも君の研究はできるんじゃないのか」と聞かれたことがある。
はっきり言って、本当のことを言えば「アメリカでしかできない研究」なんて非常に少ない。そんな研究だけで各分野まんべんなく採用することなんてかなり無理があるわけだから、ここで言う「アメリカ留学の必要性」を具体的に挙げると
(第3の柱)
A.なぜ自分の住んでいる国(日本)だとそれが難しいのか(why can't I do it in Japan)
B. (Aと関連して)アメリカで勉強することのメリットとは何か(what's my advantage in studying in the U.S.)
C(A+B).アメリカに留学することの(1と2の柱に対する)意義(the significance of my study in the U.S. on me)
の3点が主な触れるべき論点となる。「なぜアメリカなのか」という理由は、上記2つの柱をより強固にするためのものであり、これが有るものと無いものでは説得力の程度が変わってくる。フルブライト奨学金が「アメリカのみを留学先に強制する」という特質を持っている以上は、出願者はこの点に気を払うべきだ。
これら3本の柱に沿って文章を作成することができればそこそこまっとうな研究計画書やパーソナルステートメントを書くことができるし、後の大学院出願書類作成の際にもこれらを書く技術は応用可能である。ここで述べたことはいわゆる一般的な意味での「ライティングのスキル」ではないが、フルブライト奨学金が求めているのは、そうした形式的な技術以上のより実質的な文章の中身である。そして、それを書くための努力というのは、ライティングの問題を解くのではなく、自分の将来について他人に説明可能な形で具体的に考えることだと思う。
思いの他長くなってしまったので(4)へ続く
2011年4月4日月曜日
フルブライト奨学金攻略法 (2)
(1)の続き
次に第4位の「奨学金制度趣旨と研究計画の合致」であるが、先述した3つの項目に比べて低い順位であるのは、確かに重要ではあるが、割合出願プロセス上どうとでも説明できるからである。
例えばフルブライト奨学金は「日米の相互理解に貢献するリーダー養成」を目的として設立されていて、2012年度のフルブライト奨学金募集要項にあるProject Areaを見ると、米国の研究、環太平洋地域の政治・経済関係、現代社会の諸問題、グローバル社会の課題、教育(New)のどれかに含まれる研究計画でなければならず、第1次の書類審査においては何で自分の研究計画がそれらの分野に含まれるのか説明するようになっている。
多くの人がお分かりになるだろうが、何とでも言える。「俺はロシア文学を研究するためにフルブライト奨学金を使ってアメリカへ留学したい」とか、わけの分からないことを書かない限り、この「奨学金制度趣旨と研究計画の合致」についてそこまで気を払う必要は無いだろう。アメリカで行われている学術研究は多くの分野で(金をかけている分)日本で行われているものの先を行っているし、日米が関わっている現代社会の諸問題、グローバル社会の課題などは、現実世界に存在するかなりの問題が該当するため、多くの場合はそれほど苦労しない。1次審査で求められているエッセイには英語に問題が無ければそれほど苦戦はしないだろう。もちろんだからと言って適当に書いてよいわけではない。この1次審査で書いた内容を基に2次審査の書類や、3次審査で喋る内容を作るということを忘れないように。
もっとも、より個人的に気を払っていただきたいのは、上述した意味での単なる合致ではなく、1.自分の研究が該当分野や社会に与える影響、2.アメリカ留学が自分のキャリアにもたらす影響、3.アメリカ留学の(絶対的とも言えるまでの)必要性の3点である(+αとして「フルブライト奨学生」として留学する意義だろうか)。これらは2次審査でも求められるエッセイの質に関連するので後で述べることにする。
第5位の推薦状であるが、これは2次審査と後の大学院出願の際に必要になるものである。なぜ俺がランク外の「コネみたいなもの」と推薦状を分けたかと言うと、例えば、単純に見ず知らずの大統領に書いてもらった推薦状と、出願者の仕事内容や人柄を良く知っている職場の上司が書いた推薦状では、俺は後者の方が役に立つと思うからだ。推薦状は出願書類上に現れる人物を補足する第三者の評価であり、よく知らない人物の「コネ」はその出願者評価を補足する機能を持たない。せいぜい「へぇ~。で?」ぐらいで、実際にその人が学生あるいは社会人としてどんな実績や活動を残し、どんな人柄だったのかを示さないからである。
しかし、こうした第3者の評価となる推薦状は、あれば評価の役には立つが、やはり他の出願者自身が示した能力以上に合否を分けるファクターにはならないだろう。推薦状の内容が素晴らしくてもエッセイや面接がろくでもない場合は、逆に出願者を落とすファクターにもなりかねない。2次審査では3通の推薦状が求められるが、ちゃんとした推薦者にちゃんとした推薦状を書いてもらうことは当たり前の作業だと思った方がいい。
さて、最後に俺がランク外に挙げた「東京大学卒じゃないと無理」といった役に立たない情報を批判して無価値にする作業をしておこう。面白いのでこの際具体的に1つ情報源を特定して潰してやろうと思う。例えばググると結構上位でひっかかるのが「東大や京大卒じゃないと無理」というYahoo!!知恵袋の情報だが、完全にクソ情報である。確かに過去のグランティーリストを見ると東大の肩書きを持った人が多いが、それはそういった人々がこのブログで挙げたような選抜されるための項目について、他の出願者と比較して多く、あるいは完全に上回っていただけであり、「学校名で跳ねられる」ということはありえない。いわゆるFラン大学出身でも東大出身の人より英語も成績も実績も全てにおいて上回っていれば、フルブライト奨学金はそいつを奨学生に選ぶ。というか、そこら辺のおばちゃんに選ばせても(本来的には)そいつを選ぶだろう。だって比較すれば誰でもそいつの方が優秀だと分かるから。フルブライト奨学金の選考プロセスは(海外経験についてのみ制度上少ない人の方が有利になるものの)こうした純粋な力比べの側面が強いので、少なくとも日本の官庁や企業が作り出した意味不明の(時代遅れな)幻想にこだわる必要は無いし、そのような「漠然としたイメージ」程度で留学を諦められるなら、どうせ落ちるので出願しない方が良い。当たり前のことだがそんなかっこ悪い奴を誰も「将来のリーダー」だと考えないと思う。
さて、ここまではフルブライト奨学金選考プロセスにおいて、どのような要件を出願者が満たしていれば受給者に選抜されるのか、ということを概観してきた。次は、これら5つの主要な要件をどのように出願者は備えればよいのか、ということを各論的に記してみる。
きりが良いので(3)へ続く
次に第4位の「奨学金制度趣旨と研究計画の合致」であるが、先述した3つの項目に比べて低い順位であるのは、確かに重要ではあるが、割合出願プロセス上どうとでも説明できるからである。
例えばフルブライト奨学金は「日米の相互理解に貢献するリーダー養成」を目的として設立されていて、2012年度のフルブライト奨学金募集要項にあるProject Areaを見ると、米国の研究、環太平洋地域の政治・経済関係、現代社会の諸問題、グローバル社会の課題、教育(New)のどれかに含まれる研究計画でなければならず、第1次の書類審査においては何で自分の研究計画がそれらの分野に含まれるのか説明するようになっている。
多くの人がお分かりになるだろうが、何とでも言える。「俺はロシア文学を研究するためにフルブライト奨学金を使ってアメリカへ留学したい」とか、わけの分からないことを書かない限り、この「奨学金制度趣旨と研究計画の合致」についてそこまで気を払う必要は無いだろう。アメリカで行われている学術研究は多くの分野で(金をかけている分)日本で行われているものの先を行っているし、日米が関わっている現代社会の諸問題、グローバル社会の課題などは、現実世界に存在するかなりの問題が該当するため、多くの場合はそれほど苦労しない。1次審査で求められているエッセイには英語に問題が無ければそれほど苦戦はしないだろう。もちろんだからと言って適当に書いてよいわけではない。この1次審査で書いた内容を基に2次審査の書類や、3次審査で喋る内容を作るということを忘れないように。
もっとも、より個人的に気を払っていただきたいのは、上述した意味での単なる合致ではなく、1.自分の研究が該当分野や社会に与える影響、2.アメリカ留学が自分のキャリアにもたらす影響、3.アメリカ留学の(絶対的とも言えるまでの)必要性の3点である(+αとして「フルブライト奨学生」として留学する意義だろうか)。これらは2次審査でも求められるエッセイの質に関連するので後で述べることにする。
第5位の推薦状であるが、これは2次審査と後の大学院出願の際に必要になるものである。なぜ俺がランク外の「コネみたいなもの」と推薦状を分けたかと言うと、例えば、単純に見ず知らずの大統領に書いてもらった推薦状と、出願者の仕事内容や人柄を良く知っている職場の上司が書いた推薦状では、俺は後者の方が役に立つと思うからだ。推薦状は出願書類上に現れる人物を補足する第三者の評価であり、よく知らない人物の「コネ」はその出願者評価を補足する機能を持たない。せいぜい「へぇ~。で?」ぐらいで、実際にその人が学生あるいは社会人としてどんな実績や活動を残し、どんな人柄だったのかを示さないからである。
しかし、こうした第3者の評価となる推薦状は、あれば評価の役には立つが、やはり他の出願者自身が示した能力以上に合否を分けるファクターにはならないだろう。推薦状の内容が素晴らしくてもエッセイや面接がろくでもない場合は、逆に出願者を落とすファクターにもなりかねない。2次審査では3通の推薦状が求められるが、ちゃんとした推薦者にちゃんとした推薦状を書いてもらうことは当たり前の作業だと思った方がいい。
さて、最後に俺がランク外に挙げた「東京大学卒じゃないと無理」といった役に立たない情報を批判して無価値にする作業をしておこう。面白いのでこの際具体的に1つ情報源を特定して潰してやろうと思う。例えばググると結構上位でひっかかるのが「東大や京大卒じゃないと無理」というYahoo!!知恵袋の情報だが、完全にクソ情報である。確かに過去のグランティーリストを見ると東大の肩書きを持った人が多いが、それはそういった人々がこのブログで挙げたような選抜されるための項目について、他の出願者と比較して多く、あるいは完全に上回っていただけであり、「学校名で跳ねられる」ということはありえない。いわゆるFラン大学出身でも東大出身の人より英語も成績も実績も全てにおいて上回っていれば、フルブライト奨学金はそいつを奨学生に選ぶ。というか、そこら辺のおばちゃんに選ばせても(本来的には)そいつを選ぶだろう。だって比較すれば誰でもそいつの方が優秀だと分かるから。フルブライト奨学金の選考プロセスは(海外経験についてのみ制度上少ない人の方が有利になるものの)こうした純粋な力比べの側面が強いので、少なくとも日本の官庁や企業が作り出した意味不明の(時代遅れな)幻想にこだわる必要は無いし、そのような「漠然としたイメージ」程度で留学を諦められるなら、どうせ落ちるので出願しない方が良い。当たり前のことだがそんなかっこ悪い奴を誰も「将来のリーダー」だと考えないと思う。
さて、ここまではフルブライト奨学金選考プロセスにおいて、どのような要件を出願者が満たしていれば受給者に選抜されるのか、ということを概観してきた。次は、これら5つの主要な要件をどのように出願者は備えればよいのか、ということを各論的に記してみる。
きりが良いので(3)へ続く
2011年4月1日金曜日
フルブライト奨学金攻略法 (1)
1.はじめに
突然だが、フルブライト奨学金(特に専門職学位を含む大学院留学プログラム)を受給するための攻略法を、このブログで書いておこうと思う。正確に言えばまだ英文健康診断書などの必要書類を提出していない俺はいわゆる「フルブライター」ではないが、このタイミングでこの記事を書かないと、今年の出願に間に合わなくなると思うので、今後この奨学金を狙う人々のために今書いておこうと思う。なおこれまで俺のブログを読んだことがある人は分かると思うが、俺はブログでコメントをだらだらやり取りするのが嫌いである。なので質問をコメントに書かれても無視する(というか見ない可能性もある)だけなので、あらかじめここで断っておく。
また、既に何年か前の受給者はブログに詳しく書いてるじゃないか、何でお前が今更書くのか、というつっこみを入れる人も居るかもしれないが、このブログで書くのは「攻略法」であり、「感想」ではない点で既存のブログと性格が異なる。俺に言わせれば、今までの受給者は「えぇ~私なんかがもらってもいいんですかぁ~!?」というリアクションが書かれた自己完結型の文章に傾注する場合が多かった。勿論ブログの文章なのだから、俺が普段やってるように書く人が好きにすればいい。しかし、俺はこのタイトルで文章を書く場合に限り、「攻略法」を書く。今日本が困窮した状況にあるからこそ俺はこの攻略法を書く。また、俺はあくまで「審査員」ではなく「内定者」としての視点で書くので、正確な審査基準は知らない。なので、俺は「参考にする価値のある攻略法」をこのブログで示すことにする。
加えて注記するが、俺はできるだけ早くこの「攻略法」の記事を書くことにするが、想像できると思うが俺にもいろいろやることがあるので、1次審査出願締切の5月31日までに全部書き切ることができないかもしれないので、予めこれも断っておく。
2.選抜されるために重要だと思われるもの
さて、それではフルブライト奨学金受給者に選抜されるために必要なものとは何だろうか。俺が思う必要項目を、下記に優先順位を付けて並べてみる。
第1位 英語能力
第2位 経歴・履歴
第3位 これまでの学業成績・業績
第4位 奨学金制度趣旨と研究計画の合致
第5位 推薦状
ランク外(というかいらないもの) Yahoo!!知恵袋などに見られる「コネが無いと無理」、「東京大学卒じゃないと無理」などの時代遅れのクソ情報
それでは何で俺がこのように順位付けできるのか説明しよう。まず第1位の「英語能力」であるが、これは当たり前である。アメリカという、英語が主として用いられている場所に行って学位を取ったり研究をしたりする以上、英語ができない人間は話にならない。
1つ誤解があるかもしれないが、ここで言う「英語能力」は出願時に提出するTOEFL80点以上という点数ではない。フルブライト奨学金攻略における「英語能力」とは、出願プロセス全般で示される出願者の英語運用能力であり、1次審査に提出する短いプロポーザルから最終審査の面接まで全てにおいて高い水準(少なくとも自分と同分野の出願者を上回る水準)の能力を持っていないとフルブライト奨学金には合格しない。出願時でTOEFL100点以上を示せても、最終審査で回答に詰まって全くつまんない面接をした奴は(他の奴がそれよりダメじゃない場合は)落ちる。英語能力は留学後の学業成績や、大学院出願の合否を分ける場合もあるほど重要な項目であり、俺は第2位から第5位までが完璧でもここで言う「英語能力」が無い人間は選抜されないと思う。というかそう言わざるを得ない。
次に、第2位の経歴・履歴であるが、これは、俺が(後で説明する)ランク外に挙げたクソ情報みたいに「官庁出身」、「東大出身」みたいなバックグラウンドを持つことを意味しない。あくまで「出願書類上で示した自分の関心と留学目的を補足し、整合性あるものとして審査員に感得させる経歴・履歴」を意味する。なので、当然工学部出身で今まで自動車工場で自動車を作っていた人間が、突然出願書類上でアメリカの先住民族に関する研究を行いたいから留学したいとか書いても(当たり前だが)落ちる。意味不明である。今やっていることと(こういった例のごとく)全く違うことをアメリカで突然やり出したいとか思ってる人は、まずやりたいと思っている分野の基礎知識等を、(履歴書に書ける形で)日本でしっかりと築くべきだと思う。
第3位に挙げたこれまでの成績や業績だが、3位という中途半端な順位にした理由は、成績や業績はあればあるほど良いが、上述した英語能力と違って「必要条件」では無いからである。GPAが3.0とか2.8とかのろくでもない成績でも実務経験や論文の数など、履歴書に書けるような業績が多い人はトップスクールにも合格するし、フルブライトの選考プロセスでも審査員はそこまで不利なものとして扱わないと思う。
ただし、学生の身分で出願する人に特に多いと思うが、学業成績以外に特にこれまで何も業績が無い人についてはこれは重要な項目である。特に、大学時の学業成績などは将来おっさんおばさんになってから留学を思い立って成績証明書を請求してみたらクソみたいな成績で「取り返しの付かないことをしてしまった(声:古谷徹)」とか言ってしまうパターンは良くある話なので、当然の話だが、今高校生や大学生の身分の人でフルブライト奨学金が欲しい人は全てのテストで100点を目指すこと。そういった身分の人達にとって豊かな業績や実務経験が得られるかどうかは不確かだが、目の前にあるテストは確かなものだと思う。
疲れたので(2)へ続く
突然だが、フルブライト奨学金(特に専門職学位を含む大学院留学プログラム)を受給するための攻略法を、このブログで書いておこうと思う。正確に言えばまだ英文健康診断書などの必要書類を提出していない俺はいわゆる「フルブライター」ではないが、このタイミングでこの記事を書かないと、今年の出願に間に合わなくなると思うので、今後この奨学金を狙う人々のために今書いておこうと思う。なおこれまで俺のブログを読んだことがある人は分かると思うが、俺はブログでコメントをだらだらやり取りするのが嫌いである。なので質問をコメントに書かれても無視する(というか見ない可能性もある)だけなので、あらかじめここで断っておく。
また、既に何年か前の受給者はブログに詳しく書いてるじゃないか、何でお前が今更書くのか、というつっこみを入れる人も居るかもしれないが、このブログで書くのは「攻略法」であり、「感想」ではない点で既存のブログと性格が異なる。俺に言わせれば、今までの受給者は「えぇ~私なんかがもらってもいいんですかぁ~!?」というリアクションが書かれた自己完結型の文章に傾注する場合が多かった。勿論ブログの文章なのだから、俺が普段やってるように書く人が好きにすればいい。しかし、俺はこのタイトルで文章を書く場合に限り、「攻略法」を書く。今日本が困窮した状況にあるからこそ俺はこの攻略法を書く。また、俺はあくまで「審査員」ではなく「内定者」としての視点で書くので、正確な審査基準は知らない。なので、俺は「参考にする価値のある攻略法」をこのブログで示すことにする。
加えて注記するが、俺はできるだけ早くこの「攻略法」の記事を書くことにするが、想像できると思うが俺にもいろいろやることがあるので、1次審査出願締切の5月31日までに全部書き切ることができないかもしれないので、予めこれも断っておく。
2.選抜されるために重要だと思われるもの
さて、それではフルブライト奨学金受給者に選抜されるために必要なものとは何だろうか。俺が思う必要項目を、下記に優先順位を付けて並べてみる。
第1位 英語能力
第2位 経歴・履歴
第3位 これまでの学業成績・業績
第4位 奨学金制度趣旨と研究計画の合致
第5位 推薦状
ランク外(というかいらないもの) Yahoo!!知恵袋などに見られる「コネが無いと無理」、「東京大学卒じゃないと無理」などの時代遅れのクソ情報
それでは何で俺がこのように順位付けできるのか説明しよう。まず第1位の「英語能力」であるが、これは当たり前である。アメリカという、英語が主として用いられている場所に行って学位を取ったり研究をしたりする以上、英語ができない人間は話にならない。
1つ誤解があるかもしれないが、ここで言う「英語能力」は出願時に提出するTOEFL80点以上という点数ではない。フルブライト奨学金攻略における「英語能力」とは、出願プロセス全般で示される出願者の英語運用能力であり、1次審査に提出する短いプロポーザルから最終審査の面接まで全てにおいて高い水準(少なくとも自分と同分野の出願者を上回る水準)の能力を持っていないとフルブライト奨学金には合格しない。出願時でTOEFL100点以上を示せても、最終審査で回答に詰まって全くつまんない面接をした奴は(他の奴がそれよりダメじゃない場合は)落ちる。英語能力は留学後の学業成績や、大学院出願の合否を分ける場合もあるほど重要な項目であり、俺は第2位から第5位までが完璧でもここで言う「英語能力」が無い人間は選抜されないと思う。というかそう言わざるを得ない。
次に、第2位の経歴・履歴であるが、これは、俺が(後で説明する)ランク外に挙げたクソ情報みたいに「官庁出身」、「東大出身」みたいなバックグラウンドを持つことを意味しない。あくまで「出願書類上で示した自分の関心と留学目的を補足し、整合性あるものとして審査員に感得させる経歴・履歴」を意味する。なので、当然工学部出身で今まで自動車工場で自動車を作っていた人間が、突然出願書類上でアメリカの先住民族に関する研究を行いたいから留学したいとか書いても(当たり前だが)落ちる。意味不明である。今やっていることと(こういった例のごとく)全く違うことをアメリカで突然やり出したいとか思ってる人は、まずやりたいと思っている分野の基礎知識等を、(履歴書に書ける形で)日本でしっかりと築くべきだと思う。
第3位に挙げたこれまでの成績や業績だが、3位という中途半端な順位にした理由は、成績や業績はあればあるほど良いが、上述した英語能力と違って「必要条件」では無いからである。GPAが3.0とか2.8とかのろくでもない成績でも実務経験や論文の数など、履歴書に書けるような業績が多い人はトップスクールにも合格するし、フルブライトの選考プロセスでも審査員はそこまで不利なものとして扱わないと思う。
ただし、学生の身分で出願する人に特に多いと思うが、学業成績以外に特にこれまで何も業績が無い人についてはこれは重要な項目である。特に、大学時の学業成績などは将来おっさんおばさんになってから留学を思い立って成績証明書を請求してみたらクソみたいな成績で「取り返しの付かないことをしてしまった(声:古谷徹)」とか言ってしまうパターンは良くある話なので、当然の話だが、今高校生や大学生の身分の人でフルブライト奨学金が欲しい人は全てのテストで100点を目指すこと。そういった身分の人達にとって豊かな業績や実務経験が得られるかどうかは不確かだが、目の前にあるテストは確かなものだと思う。
疲れたので(2)へ続く
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